【ロシア語 初心者】トルストイ『スーラトの喫茶店』対訳 with サーニャ&カチューシャ&響

ロシア語

まえがき

なにもやる気なくてYouTubeみてたら、りおしさんが夏コミ原稿描いてたので、僕も頑張ろう!って思いました!ありがとです!

この記事は、ベルナルダン・ド・サン・ピエールの原作を基にトルストイが書いた『スーラトの喫茶店』(スーラトのカフェ)(原題「СУРАТСКАЯ КОФЕЙНАЯ」)の対訳・注釈記事となっております。ロシア語の入門テキストを一通り終えた人が、実際の文章にチャレンジする際にぴったりです。

一人じゃ心細いので、ロシア担当の陸海空軍の女の子といっしょです!サーニャちゃん(生粋のロシア人)・響ちゃん(日本艦→ロシア艦)・カチューシャちゃん(ロシア語できない)です!響ちゃんは忙しいので第20文くらいから登場します。

この小説の概略

Where

サーニャ
サーニャ

この短編の舞台「スーラト(Surat)」はインド西部の都市です。港町として、貿易や織物産業で栄えたようですね。今でもインド8位の人口を誇っているみたいです!

カチューシャ
カチューシャ

港町だから、多種多様な人々が集まってくるっていうところがキーポイントだね!

When

響

この物語が書かれたのは19世紀末(1891)。

西洋では近代化が完了しつつある時代の一方で、ロシアをはじめとする非先進国ではまだまだ昔の考えも残っている、そんな時代よ。

Who/What

サーニャ
サーニャ

スーラトのカフェに集まった様々な人たちが、自分の宗教を基に、神様について論争を繰り広げます。

この記事の見方

①動詞を、主語をで表示します。わかりにくい補語や目的語はで示します。
②副詞と前置詞句など、意味のまとまりはカッコでくくります。

本文訳

1~10文目

1文目

Была (в индийском городе Сурате) кофейная.

サーニャ
サーニャ

Была(есть):存在動詞・過去形女性 индийском(индийский):インドの・前置格 городе(город):街・前置格 Сурате(Сурат):スーラト・前置格 ※городеと同格かな。 кофейная(кофейный):コーヒーの・女性主格 ※「コーヒー店」という名詞にチェンジしてるパターン。

カチューシャ
カチューシャ

городは「スターリングラード」の「グラード」かしら?

サーニャ
サーニャ

そうそう。スターリングラードはロシア語では「スターリングラー」と読むよー。
городはアクセントが最初のoにあるから「ゴラト」だからね。

訳:スーラトというインドの町に、コーヒー店があった。

2文目

И сходились (туда) (из разных земель) проезжие и иностранцы и часто беседовали.

サーニャ
サーニャ

сходиться→meet。ся動詞の複数過去形。туда→副詞。there。из→生格支配。fromとかout ofとか。из句はпроезжиеとиностранцыにかかる。разных:разный・different・形容詞複数生格。земель:земеля・土地・複数生格 проезжие:проезжий・通行人・主格複数形 ※語尾が形容詞なので、形容詞のように活用する。行ったり来たりする人のこと。ностранцы:иностранц・外国人・主格複数形 беседовали:беседовать・話す・複数過去形

カチューシャ
カチューシャ

земеляは「ノヴァヤゼムリャ」の「ゼムリャ」よね?

サーニャ
サーニャ

うん。「地球」という意味もあるよ。

そして、様々な土地から来ている行商人や外国人がそこで集まったり、話したりしていた。

3文目

Зашел (туда) (раз) персидский ученый богослов.

サーニャ
サーニャ

зашел:заходить(不規則活用)・入る(go in, enter)・男性過去形。 раз:副詞・ある日(once / one day) персидский:ペルシャ人の・主格形容詞 ученый:учёный・教養のある・主格形容詞。 богослов:神学者。овがついているがこれで単数主格。

カチューシャ
カチューシャ

зашелなんて言葉、辞書にもネットにもないわよ。

サーニャ
サーニャ

еとёは同じだから(ёのアクセントが消えるとе)、зашёлと一緒よ。

ある日そこに、ペルシャ人の教養ある神学者が入店してきた。

サーニャ
サーニャ

そうそう、「богослов」(バガスロフ)(神学者)はこの後もよく出てくるから、この単語は覚えておいてね!

それと、「бог」(神)もしょっちゅう出てくるから絶対覚えとくんだよ!

4文目

Он (всю жизнь) изучал сущность божества и читал, и писал (о том) книги.

サーニャ
サーニャ

всю:весь・全て(all, whole)・形容詞 ※女性主格はвсяなので、これは対格。 жизнь:人生・名詞 ※жить(住む)と関連。 изучал:изучать・学ぶ・動詞男性過去形
сущность:大事なこと・エッセンス божества: божество・神・生格。※боже мой(Oh my god)のбоже。 читал:читать・読む・動詞男性過去形 писал: писать・書く・動詞男性過去形 том: тот・あの(指示代名詞that)・前置格 книги:книгаの複数形。писалの目的語。

彼はライフワークとして、神の真髄を探究し、書を読み、神について何冊も本を書いていた。

5文目

(Долго) думал, читал и писал он (о боге), зашел (у него) ум (за разум), спуталось (у него) всё (в голове), и дошел он (до того, что перестал верить (в бога)).

サーニャ
サーニャ

долго:副詞・長い間 думал:думать・考える・動詞①/過去形/男性 боге:бог・神・前置格 зашел:зайти・入る・男性過去 него:он・heの対格/生格(前置詞の後タイプ) ум:ум・考え・主格 за:前置詞・~の中に(動きを表すときは対格支配) разум:разум・考え・対格 спуталось:спутаться(путатьсяの完了体)・からまる/混乱する・ся動詞中性過去単数 всё:весь・全て・名詞中性(※特に修飾語句がないから、中間の中性になってるのかな) голове:голова・頭・前置格 дошел:дойти・たどりつく・動詞男性過去。これも本当はеじゃなくてё。до:前置詞・~まで・生格支配 того:тотの生格 перестал:перестать・止める・男性過去(чтоは中性のはず…だけど気にしない!)верить:верить・信じる・不定形(пересталの目的語になってるから、to不定詞みたいな感じ) бога:神・対格(※神は活動体!)

カチューシャ
カチューシャ

「то, что」は関係代名詞だね! тоは「thing(s)」、чтоは「that/which」だと対応させれば英語と一緒になるね!

サーニャ
サーニャ

そだね!

カチューシャ
カチューシャ

あとверитьはbelieveと一緒。in(в)を伴うところまで同じだね!

サーニャ
サーニャ

例外的に、このвのあとに対格が来ることは忘れないでね!

長い間、彼は神について考え、本を読み、書を著した。彼の思考は堂々巡りを繰り返し、頭の中はいろいろなものがこんがらがってしまった。そして、神を信じるのをやめるところまで行きついてしまった。

6文目

Узнал (про это) царь и изгнал его (из персидского царства).

サーニャ
サーニャ

Узнал:узнать・知る・動詞完了体男性過去(不完了знать) про:前置詞・about・対格支配 это:это・これ・対格 царь:ツァーリ(王様)・主格(活動体なので対格はцаря) изгнал:изгнать・追放する・動詞完了体男性過去 его:онの対格・生格 из:前置詞・from/out of・生格支配 персидского:персидский・ペルシャ人(の)・形容詞生格 царства:царство・王国・生格

カチューシャ
カチューシャ

このころのイラン(ペルシャ)の王朝はガージャール朝ね。トルコ系の王が支配してたんだけど、19世紀前半に、南下政策をたくらむロシア帝国と2度のイラン・ロシア戦争に発展して、ロシア帝国が勝利。イランはロシアにコーカサス地方を割譲したってとこね。

ともあれ、イランはイスラム教の国だから、神を信じない神学者は追放された、ってところかしら。

王はこれを知り、彼をペルシャ王国から追放した。

7文目

((Так-то всю жизнь) рассуждая о первой причине), запутался несчастный богослов и, (вместо того, чтобы понять, что (у него) (уже) не стало разума), стал думать, что не стало больше высшего разума, (управляющего миром).

サーニャ
サーニャ

Так-то:副詞・so, that всю:весь・all・形容詞対格 жизнь:人生・名詞対格 рассуждая:рассуждать(o+前置格)・discuss,debate,argue・副動詞первой:первый・前の/初めの・前置格女性 причине:причина・理由・原因 запутался:запутаться・混乱する・ся動詞男性過去 несчастный:несчастный・不幸せな・形容詞主格 богослов:神学者・名詞単数主格 вместо того, чтобы+不定形:instead of ~ing(熟語) понять:understand(理解する)・動詞完了体不定形 что:понятьの目的語となるthat節。understand that…という感じ。 уже:already・副詞 стало:стать・動詞過去中性(否定なので中性になりますね)※「не стало 生格」で「~がなくなった」です。 разума:разум・mind/reason/intelligence・生格 стал:стать・start/begin・動詞過去男性 думать:думать・think・動詞不定形 что:думатьの目的語となるthat節。think that…という感じ。 больше:большой比較級・より大きい высшего:высший・最高の・形容詞生格 управляющего:управлять・支配する・形動詞生格。 миром:мир・世界・名詞造格

カチューシャ
カチューシャ

ちょっと。難しくなりすぎじゃない。

サーニャ
サーニャ

ごめんね。まず、形動詞と副動詞を確認しておくよ。

カチューシャ
カチューシャ

英語の「動名詞」みたいな言い方ね。

サーニャ
サーニャ

そんな感じかな。

⑴形動詞→動詞が形容詞になったもの。英語の分詞形容詞と同じで、修飾するために使うよ。
больше высшего разума, (управляющего миром)
の部分だと、動詞+目的語の「управлять миром」(世界を支配する)(※управлятьは造格を目的語に取るよ)を形動詞にして、「разума」(知的存在)を修飾しているね。

カチューシャ
カチューシャ

英語だと「intelligence controlling the world」ってことだね!

サーニャ
サーニャ

そうそう。ここの形動詞の成り立ちは、①三人称複数現在управляютにする。②тを消す。③щийをつけて形動詞化する。④「разума」が生格だから生格にする。ってことかな。名詞の後に形動詞を置くときはカンマが必要になるから気を付けてね。

サーニャ
サーニャ

⑵副動詞→動詞が副詞になったもの。英語の分詞構文と同じだね。今回はТак-то всю жизнь рассуждая о первой причинеの部分だね。こんな風に不完了体動詞の語幹に「-я」をつけてつくっている副動詞は、「~しながら」という同時を表すよ。

カチューシャ
カチューシャ

英語なら全部ingつけるだけなのに、ロシア語はやっぱ難しいわ…

※再掲
((Так-то всю жизнь) рассуждая о первой причине), запутался несчастный богослов и, (вместо того, чтобы понять, что (у него) (уже) не стало разума), стал думать, что не стало больше высшего разума, (управляющего миром).

サーニャ
サーニャ

богословの後の「и」はзапуталсясталを接続しているからね。

サーニャ
サーニャ

あと、2つある「что」はпонятьやдуматьの目的語節を作る接続詞だね。英語のthat節のthatにあたるものかな。

人生のほとんどを神の根源について議論することに費やしながら、その不幸な神学者は混乱し、
すでに自分が理性を失っていることに気づかず、世界を支配するより偉大な知的存在はいないのだと思いはじめた。

8文目

Был у этого богослова раб африканец, ходивший за ним повсюду.

サーニャ
サーニャ

Был(быть):be動詞, 過去・男性 этого(этот):この(this),形容詞,生格 богослова(богослов): 神学者,名詞,単数生格 раб:男性奴隷,名詞,主格 африканец:アフリカ人 ходивший(ходить): go/walk/move, 形動詞・能動過去(вшийをつける), 主格 за : after(追う), 前置詞, 造格支配 ним : он造格 повсюду : everywhere, 副詞, в黙字

「у+生格+быть+主格」(=There is 主格 by 生格=生格 have 主格)だね。

カチューシャ
カチューシャ

раб африканецの部分はもうまとめて「アフリカ人奴隷」でいいかな?

サーニャ
サーニャ

いいんじゃない。

ちなみにこの本は1893年に出版されたんだけど、まだイラン(ペルシャ)では奴隷制度が残存してたみたいだよ!

カチューシャ
カチューシャ

(実態はともかく法律上は)アメリカでは1863年の奴隷解放宣言、ロシアでは1861年の農奴解放令によって奴隷・農奴は自由な立場になっていたんだけど。

Был (у этого богослова) раб африканец, (ходивший за ним повсюду).

この神学者には、彼が行くところどこでもついて行くアフリカ人奴隷がいた。

9文目

Когда богослов вошел в кофейную, африканец остался на дворе, за дверью, и сел на камень на припеке солнца; он сидел и отгонял от себя мух.

サーニャ
サーニャ

когда:when/as, 副詞 вошел(войти) : 入る,動詞,過去形男性 в : ~へ, 前置詞, 移動を伴うときのвは「~へ」で対格支配。 кофейную(кофейный) : コーヒー店, 名詞, 形容詞の名詞化。対格。 остался(остаться) : stay ся動詞, на дворе : outside, 熟語 за : at, 造格支配 дверьюдверь : ドア,単数,造格 сел(сесть) : 座る,動詞,完了体過去男性 на: ~の上に,前置詞,対格支配 камень 石,対格 на припеке: 炎天下で,熟語 солнца(солнце):太陽, 生格 сидел (сидеть) : 座る,動詞,不完了体,過去男性 отгонял(отгонять), 追い払う,動詞,不完了体,過去男性 от:~のそばから, 前置詞, 生格支配, себя:oneself, 代名詞,生格。造格は собой/собоюだが、それ以外はсебя 。мух(муха):ハエ,名詞,対格。отгонялの目的語。活動体なので、対格=生格。

(Когда богослов вошел в кофейную), африканец остался (на дворе), (за дверью), и сел (на камень) (на припеке солнца); он сидел и отгонял (от себя) мух.

サーニャ
サーニャ

奴隷さんかわいそうに。

その神学者がコーヒー店に入ったとき、そのアフリカ人は屋外のドアのところにいたままで、炎天のもと石に腰かけた。彼は座ってハエを自分のところから追い払っていた。

10文目

А сам богослов лег на диван в кофейной и велел подать себе чашку опиума.

サーニャ
サーニャ

а:対比・話題の転換 сам:再帰代名詞,主格,himself(強調)と考えてOK  лег(лечь):倒れる,動詞,男性過去 ※лечь на 対格=fall on 対格 。диван: ソファー,対格 кофейной(кофейная)コーヒー店,前置格 велел(велеть):頼む,動詞,男性過去。велеть+与格+V不定形=order[tell] 与格 to V подать:提供する,動詞,不定形  себе:自分に,oneselfの与格  чашка:一杯の, 対格, a cup of~と同じ。опиума(опиум):アヘン, 生格

カチューシャ
カチューシャ

ま、麻薬のアヘンが平然と出てきてるじゃない。

サーニャ
サーニャ

アヘンはイスラム社会で嗜好品として広く使われてたよ。タバコみたいなものかな。インドにももちろん流入してるからね。

アヘン戦争が1840年(この小説の50年前くらい)にあったけど、1900年代初頭になってようやく先進国でアヘンは禁止になるの。だからまだまだインドでは流通してるんだよ。

А сам богослов лег (на диван) (в кофейной) и велел подать себе чашку опиума.

いっぽうこの神学者はコーヒー店の中でソファに座り、アヘンを一服持ってくるように頼んだ。

11~20文目

11文目

Когда он выпил чашку и опиум начал расшевеливать его мозг, он обратился к своему рабу.

サーニャ
サーニャ

Когда:~のとき,接続詞,英語のwhenと同じ, выпил(выпить):飲む,動詞,完了体,男性過去 начал(начать):はじめる,動詞,完了体,男性過去 ※英語のbeginと同じく、不定形を続けて「~を始める」расшевеливать 刺激する/かきたてる, 動詞,不定形, расшевелитьの不完了体 его :онの所有格, мозг: 脳, 対格 обратился(обратиться):声をかける, 動詞 ※「обратиться к 与格」で「与格 に声をかける」 своему: свой, 自分の, 与格。※свойは英語の「one」に相当。рабу(раб): 奴隷, 与格

「и」は2つのSV構造を繋いでるね!

カチューシャ
カチューシャ

やっぱりヤク中じゃない。

(Когда он выпил чашку и опиум начал расшевеливать его мозг), он обратился к своему рабу.

一服し、アヘンが脳を刺激しはじめると、神学者は奴隷に声をかけた。

12文目

— Что, раб презренный, — сказал богослов, — скажи мне, как ты думаешь, есть бог или нет?

サーニャ
サーニャ

презренный(презренный): 卑しむべき, 形容詞, 主格※後置修飾している。сказал(сказать): 言う, 動詞,完了体, 男性過去※活用の際に子音交代が起こる。скажу、скажешьなど。скажи(сказать):言う,命令形 мне: я与格 как: how, what ※英語のhowやwhatと同じく、節をつくる。думаешь(думать): 思う※thinkと同じく、目的語に節をとる。есть: there is, 存在動詞 бог:神, 主格, или: or, 接続詞, нет: there is not, 存在動詞

カチューシャ
カチューシャ

子音交代ってなによ。сказатьがどうしてскажуになったりするのよ。

サーニャ
サーニャ

発音上の問題で、子音が勝手に置き換わっちゃうことがあるんだけど、もうわたしたちにはどうしようもないわ。

カチューシャ
カチューシャ

あとこの文、ダッシュが多くてわかんないわ。

サーニャ
サーニャ

最初のダッシュはセリフのスタートを表すダッシュだから気にしなくていいわ。

そして英語と同じで、ダッシュで挟まれた部分は挿入と考えましょ。「— сказал богослов, —」のところだね。英語だと「…, 神学者 said, …」となるのでわかりやすいけど...

カチューシャ
カチューシャ

カンマも多いわよ。ロシア語はчто節(英語のthat節)の前にもカンマを入れたりするから、「カンマで挟まれてるところは挿入」っていうルールが通用しないじゃない。

サーニャ
サーニャ

1ブロックずつ確かめるしかないね。

①「раб презренный」は「呼びかけ」として挿入されてる感じかな。

②скажи мнеは命令形。「tell me」だね。какが続いてるから、tellの目的語にあたる内容がкак節で語られることが想定できるよ。
③как ты думаешьは「what you think」で、thinkの目的語がないから、次のブロックでその目的語が現れるよ。
④есть бог или нетは「(whether) there is God or not」だね。

— Что, раб презренный, (— сказал богослов, —) скажи мне, как ты думаешь, есть бог или нет?

神学者は言った。「卑しい奴隷よ、お前の考えを聞かせてみろ。神はいると思うか?いないと思うか?」

13文目

— Разумеется, есть! — сказал раб и тотчас достал из-за пояса маленького деревянного идола.

サーニャ
サーニャ

Разумеется:もちろん,副詞, 動詞のразуметьсяから派生。тотчас: すぐに, 副詞, достал(достать): 手を伸ばす/取る ※reach, touchのときは生格を目的語に取る。でもここはget, fetchの意味でもいいかも。из-за:~の後ろから, 前置詞, 生格支配 пояса(пояс):ベルト・腰, 生格 маленького(маленький):小さい, 副詞, 生格 деревянного(деревянный):木の, 形容詞,生格, идолаидол: 偶像・崇拝物生格

カチューシャ
カチューシャ

あれ、この奴隷、ペルシャ人の奴隷のアフリカ人じゃないの?

ペルシャはイスラム教だから、偶像崇拝は厳禁のはずじゃ…

サーニャ
サーニャ

たぶん、この神学者はペルシャ人のイスラム教徒だけど、奴隷は(アフリカ系とはいえ)ヒンドゥー教徒か仏教徒なんじゃないかしら。ヒンドゥー教徒や仏教は偶像崇拝OKだからね。

— Разумеется, есть! — сказал раб и тотчас достал (из-за пояса) маленького деревянного идола.

「もちろん、神はおります!」と奴隷は言い、すぐに腰の後ろから小さな木製の神像を取り出した。

14文目

— Вот, — сказал раб, — вот тот бог, который меня хранит с тех пор, как я живу на свете.

サーニャ
サーニャ

вот: here, 副詞, тот: 関係代名詞которыйの先行詞богをわかりやすくするためについているだけ。訳出不要。который:関係代名詞, 主格 меня:я生格, хранит(хранить): 守る, 動詞, 現在, 三人称, 単数 c тех пор, как~: ever since(~以来ずっと), 接続詞, 熟語。 живу(жить):住む, 動詞, свете(свет):光, 前置格 ※жить на светеは直訳だと「光の下に住む」。要するに「生きている」ということ。

※「— сказал раб, —」の部分はこの前と同じで、「 …,the slave said,…」の挿入ね。

カチューシャ
カチューシャ

関係代名詞ってどう使うのかしら?

サーニャ
サーニャ

英語とほとんど同じ。

ここで出て来たのは「который」よ。これは万能な関係代名詞。英語でいうところのwhichにもwhoにもなれるの。

カチューシャ
カチューシャ

じゃあ、thatみたいなもの?

サーニャ
サーニャ

もっとすごいわ。生格にして「whose」の意味も出せるし、前置格にして「(前置詞) which」にもなれるわ。
格変化は形容詞型で、性と数は先行詞に、格は関係詞内の役割に合わせるわ。

— Вот, (— сказал раб, —) вот тот бог, который меня хранит (с тех пор, как я живу (на свете)).

「ここに」ー奴隷は言ったー「ここに神はいます。神は生まれてからこのかた、私を護ってくれているのです。」

15文目

Бог этот сделан из сука того самого священного дерева, которому поклоняются все в нашей стране.

サーニャ
サーニャ

этот:この, 男性,主格 ※補語, сделан:された, 形動詞の短語尾化, 男性単数 сука(сук):木の大枝, 生格(изは生格支配) того(тот): 関係代名詞которомуの先行詞дереваをわかりやすくするために置かれているだけ。самого(самый):最も, 生格 священного(священный):神聖な,生格 дерева(дерево):木, 生格 которому(который):関係代名詞, 関係詞節中で与格 поклоняются(поклоняться):崇拝する, ся動詞現在,三人称,複数 все:全員(all) нашей(наш):1人称複数の所有代名詞(our),女性,前置格 стране(страна): 国, 前置格
※どこも国は女なんだね

カチューシャ
カチューシャ

「сделан」って変な単語だね!

サーニャ
サーニャ

①動詞「сделать」を形動詞化「сделанный」
②「сделанный」を短語尾化「сделан」
という感じで作られているわ。
「-нный」で終わる形動詞は「受動・過去」(~された)を表すよ。

受動・過去の形動詞はこんな風に短語尾化されることが多いから注意してね!

カチューシャ
カチューシャ

短語尾って何だったっけ。

サーニャ
サーニャ

語尾が短くなった形容詞なんだけど、文法上は述語にしか使えない(叙述用法のみ)ということに注意だね。名詞を修飾する限定用法の使い方はできないよ。

Бог этот (сделан (из сука (того самого священного дерева, которому поклоняются все (в нашей стране)))).

サーニャ
サーニャ

Бог 《есть》 этот(神はこれだ)が基本構造。
②сделан из сука(枝から作られた)がэтотを修飾。
③самого священного дерева(最も神聖な木)がсукаを修飾。

④которому поклоняются все в нашей стране(私たちの国でみな崇拝している)がдереваを修飾。

カチューシャ
カチューシャ

どんどん後置修飾が繋がっていくのね。

「この像は神そのものなのです。私たちの国でみんなが崇拝している、最も神聖な木の枝から作られたものです。」

16文目

Услыхали этот разговор между богословом и рабом бывшие в кофейной и удивились.

サーニャ
サーニャ

Услыхали(услыхать): 聞く, слыхатьの完了体,過去,複数 разговор(разговор):話し, 名詞,対格 между:~の間に, 前置詞,造格支配 бывшие(бывший):存在していた, 形動詞, быть(存在する)の形動詞(過去・能動),複数,主格,現在 удивились(удивиться):驚く, ся動詞

カチューシャ
カチューシャ

この文章、主語どこよ。

ないじゃない。

サーニャ
サーニャ

性・格・数を考えて、「бывшие」(以前の)の修飾先が存在しないことに注目してみましょ。

カチューシャ
カチューシャ

なるほど。形容詞「бывшие」が名詞となっていると見なせばいいのね。

そうすると「бывшие в кофейной」(コーヒー店に前からいた人々)という主部になって、すべて辻褄が合うぞ。

Услыхали этот разговор (между богословом и рабом) бывшие (в кофейной) и удивились.

サーニャ
サーニャ

иが繋いでるのは、Услыхалиудивилисьですね。

神学者と奴隷の間のこの会話を聞いて、コーヒー店に以前からいた人たちは驚いた。

17文目

Удивительным показался им вопрос господина и еще более удивительным ответ раба.

サーニャ
サーニャ

Удивительным(удивительный):驚く, 造格 показался(показаться):seem/appear, ся動詞, 男性過去 ※「показаться 与格 補語」で「It seems to 与格 補語」 им:themの与格 вопрос:問題 господина(господин):マスター(Fateのマスターをイメージ。サーヴァント/奴隷に対応する存在), 生格 еще:ещё, さらに, 副詞, 比較級の強調(even, still) более: more,副詞, 比較級をつくる ответ:答え

カチューシャ
カチューシャ

比較級だね!

Удивительным показался (им) вопрос господина и еще более удивительным ответ раба.

彼らは神学者の質問にびっくりし、奴隷の答えにさらにいっそう驚いた。

18文目

Один брамин, слышавший слова раба, обратился к нему и сказал:

サーニャ
サーニャ

один:1つの, 数詞, брамин:バラモン слышавший(слышать): 聞いていた, 形動詞※-вшийがつくと能動・過去の形動詞。ここではбраминを修飾。слова(слово):言葉 обратился (обратиться): 声をかける※「обратиться к~」で「~に声をかける」 нему:himの与格 сказал(сказать): 言う, 男性,過去

カチューシャ
カチューシャ

「バラモン」はヒンドゥー教カーストのトップ階級だね!

Один брамин, (слышавший слова раба), обратился (к нему) и сказал:

奴隷の言葉を聞いていた1人のバラモンが、奴隷に声をかけ、口を開いた。

19文目

— Несчастный безумец! Разве можно думать, чтобы бог мог находиться за поясом у человека? Бог есть один — брама.

サーニャ
サーニャ

несчастный:不幸な,主格 безумец:狂人,主格 разве:本当に~か?※副詞反語的な表現。 можно:~してよい,無人称文 думать:思う чтобы:ここではчтоと同じで、думатьの目的語の節をつくる働き。мог(мочь):can, may находиться(находиться):存在する, за: at, 造格支配 поясом(пояс):ベルト/腰, 造格 человека(человек): 人, 生格 брама:ブラフマー

サーニャ
サーニャ

無人称文は英語における形式主語や状況の「it」を使うときと、助動詞を使うときにあたるかな。与格+無人称述語+不定形が基本だね。

・わたしには寒いです=It is cold for me=Мне холодно.
・わたしには日本語の勉強は面白いです=It is interesting to him studying Japanese.= Mне интересно изучать русский язык.

・あそこで遊んではいけません=You must not play here. Там нельзя играть.

カチューシャ
カチューシャ

ブラフマーはヒンドゥー教の3人の最高神(ブラフマー・ヴィシュヌ・シヴァ)の一人だね。

— Несчастный безумец! (Разве) можно думать, чтобы бог мог находиться (за поясом) (у человека)? Бог есть один — брама.

「不幸な狂人だ!神が人間のベルトのところにいられると考えてよいだろうか? 神はただ一つなのだ――ブラフマーだ。」

20文目

И этот брама больше всего мира, потому что он сотворил весь мир.

サーニャ
サーニャ

больше(большой):より大きい, 形容詞,большойの比較級 всего(весь): all,形容詞,生格 мира(мир): 世界, 名詞, 生格 потому что :because, 熟語 сотворил(сотворить): 創る, 動詞, 男性過去

カチューシャ
カチューシャ

всего мираは何の働き?

サーニャ
サーニャ

比較級の比較対象ね。「больше всего мира」は「bigger than all world」よ。

「そしてこのブラフマーは全世界よりも大きいのだ。なぜなら、ブラフマーが全世界を作ったからだ。」

21~30文目

21文目

Брама есть единый, великий бог; тот бог, которому построены храмы на берегах реки Гангеса, тот бог, которому служат его единственные жрецы — брамины.

サーニャ
サーニャ

единый:唯一の великий:偉大な тот: которомуの先行詞богを示す役割 которому (который): 関係代名詞, 与格 построены: built,建てられた, построитьの形動詞(受動・過去),построенный(第2変化なら-ить語尾を外して-енныйをつける)の短語尾, 複数形 храмы(храм): 寺, 主格, 複数形 берегах(берег): 岸, 複数, 前置格 реки(река): 川, 生格 Гангеса(Гангес): ガンジス, 生格 служат(служить): 仕える, 三人称, 複数 единственные (единственный): 並ぶものがない, 複数 жрецы(жрец): 僧侶, 複数 брамины(брамин): バラモン, 複数

Брама есть единый, великий бог; тот бог, которому построены храмы (на берегах реки Гангеса), тот бог, которому служат его единственные жрецы — брамины.

「ブラフマーは唯一の存在で、偉大な神だ。ブラフマー神のためにガンジス川のほとりに寺が建てられ、またとない僧侶たちーバラモンーがブラフマー神に仕えている。」

22文目

響

響だ。この段落から参戦するぞ。хорошо~

Одни эти жрецы знают истинного бога.

サーニャ
サーニャ

Один: ~だけ, 複数形 эти(этот): この, 複数 знают(знать): 知っている, 三人称,複数,現在 истинного(истинный):正しい, 対格

Одни эти жрецы знают истинного бога.

響

神богが活動体だから、対格が生格と同じ活用をしているわけだ。

「ただこの僧侶たちだけが、正しい神を知っているのだ。」

23文目

Прошло уже двадцать тысяч лет, и сколько ни было переворотов в мире, жрецы эти остаются такими же, какими были всегда, потому что брама, единый, истинный бог, покровительствует им.

響

Прошлопройти:過ぎる, 動詞, 複数, 中性 уже: already, 副詞 двадцать(двадцать): 20, 数詞 тысяч(тысяча): 1000, 複数, 生格 лет(лето): 夏, 複数, 生格 сколько: how many/much ни:疑問詞を疑問詞+everに変化させる。※「сколько ни」で「however many」という譲歩節。 переворотов(переворот): クーデター, 複数, 生格 мире(мир):世界, 前置格 остаются(оставаться):remain ※補語をとる。такими: такойтотがчтоの先行詞につくのと同じく、такойはкакойの先行詞につくことがあるのだтакой же:同じ какими(какой): 関係代名詞, 造格。всегда: always, 副詞,в黙字 потому что: because,接続詞 покровительствует(покровительствовать):護る, 三単現 ※目的語は与格。им:themの与格。

カチューシャ
カチューシャ

「двадцать тысяч」は20×1000=20000年でいいわよね。

響

хорошо。なぜ2万年なのかは不詳だ。

カチューシャ
カチューシャ

и сколько ни было переворотов в мире の主語見つからないわよ

サーニャ
サーニャ

ниが一応否定語だから、存在動詞を用いた文では主語が生格になる(否定生格)のかな。

Прошло (уже) двадцать тысяч лет, и (сколько ни было переворотов (в мире)), жрецы эти остаются такими же, (какими были (всегда)), (потому что брама, (единый, истинный бог), покровительствует им).

「既に20000年が経ち、世界では数えきれないほどの政変が起こったけれども、この僧侶たちは常に変わらなかった。なぜなら、唯一にして真理の神であるブラフマーが守ってくれているからなのだ。」

響

единый, истинный богはбрамаと同格だ。

24文目

Так сказал брамин, думая убедить всех, но бывший тут же еврейский меняла возразил ему.

サーニャ
サーニャ

так:このように, 副詞 сказал(сказать): 言う, 動詞, 男性,過去 брамин:バラモン думая (думать): 考える ※-яがつく副動詞で「~している」を表す。убедить:納得させる всех(весь): みんな, 形容詞, 対格 но: but, 接続詞 бывший:存在している, 形動詞бытьの能動過去形動詞(-вший)。тут же: すぐに еврейский:ユダヤ人の меняла:両替商 возразил(возразить):反対する, 男性,単数 ему:heの与格

響

думая убедить всехはсказал браминを修飾する副動詞で、英語の分詞構文と同じだから問題はないと思う。
いっぽう、бывшийはеврейский を修飾する形動詞だ。

ちなみに、英語なら2語以上は後置修飾だが、ロシア語では2語以上でも前置修飾が可能なのだ。

(Так) сказал брамин, (думая убедить всех), но (бывший) тут же еврейский меняла возразил ему.

全員を説得しようと考えながら、こんな風にバラモンは述べた。だが、あるユダヤ人がすぐに彼に反論した。

25文目

— Нет, — сказал он. — Храм истинного бога не в Индии!..

サーニャ
サーニャ

нет: no сказал(сказать):言う храм: 寺,主格 истинного(истинный):真の,形容詞,単数生格 Индии(Индия):インド,単数前置格

カチューシャ
カチューシャ

あれ、動詞どこよ。

響

неは「not(副詞)」だから動詞じゃないな。нетはis notなんだが。

しかも否定生格になってないぞ。おかしい。

サーニャ
サーニャ

うーん、何かあるのかもしれないけど、とりあえず意味はとれるからそれでOK、っていうところにしておこうかな。

— Нет, (— сказал он. —) Храм истинного бога не в Индии!..

「違う」と彼は言った。「本当の神の寺はインドにはない!」

26文目

И бог покровительствует не касте браминов!

サーニャ
サーニャ

покровительствует(покровительствовать): 守る, 三人称・単数・現在, 目的語は与格 касте(каста) : カースト, 単数与格  браминов(брамин) : バラモン, 複数生格

И бог покровительствует не касте браминов!

「それに、神はバラモンのカーストを護りはしない。」

27文目

Истинный бог есть бог не браминов, а бог Авраама, Исаака и Иакова.

サーニャ
サーニャ

есть:現在形の英語のbe動詞。無変化。通常省略する。述語は基本的に造格だが、永続的な状態を表すときは主格の時もある。 а対比を表す接続詞。 Авраама(Авраам):アブラハム 単数生格 Исаака(Исаак):イサク 単数生格  Иакова(Иаков):ヤコブ,単数生格

カチューシャ
カチューシャ

アブラハムの子がイサク、イサクの子がヤコブだね!

一般的に言えば、アブラハムはユダヤ教・キリスト教・イスラム教での「始祖」的な預言者かな。アブラハム・イサク・ヤコブはセットで扱われることがあるよ!

サーニャ
サーニャ

アダムから始まって、方舟のノアを経て、アブラハムに続いた家系は、ダビデ・ソロモンの2王に至って、最後はイエスにたどり着くんだよ!

このサイトから家系図引っ張って来たよ:http://biblestyle.com/help.html

響

アブラハムの家系を崇めている宗教は前述のようにユダヤ・キリスト・イスラム教系だから、逆に言えばアブラハムたちとは関係ない宗教は仏教・ヒンドゥー教(あとは神道など)くらいだ。

以下の地図のピンク色がアブラハムの宗教の国、黄色が非アブラハムの宗教の国なのだ。

Dbachmann, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=686253による
サーニャ
サーニャ

ということで、この文章の発話者(ユダヤ人)が、非アブラハムのヒンドゥー教信者に対して反論しているということが確実に読み取れるね!

Истинный бог есть бог не браминов, а бог Авраама, Исаака и Иакова.

「真の神はバラモンが崇める神ではなく、アブラハム・イサク・ヤコブが崇める神なのだ。」

28文目

И покровительствует истинный бог только одному своему народу израильскому.

響

покровительствует(покровительствовать): 守る, 動詞, 三人称単数 только:only,副詞 одному(один):1つの, 形容詞,単数与格 народу(народ): 人々,単数与格 израильскому(израильский): イスラエルの形容詞,与格

サーニャ
サーニャ

「израильскому」(イスラエルの)は「своему народу」(我々の人々)を後置修飾しているよ。そして「только одному」(ただ唯一の)がこの「своему народу израильскому」のまとまりを修飾しているというわけかな。

И покровительствует истинный бог только одному своему народу израильскому.

「真の神は、我々イスラエルの民だけを唯一守ってくれるのだ。」

響

こういうユダヤ人の考え方をなんて言うんだったかな。わすれてしまった。

サーニャ
サーニャ

選民思想」だね。「ユダヤ人は神に選ばれているから、他の民族とは違うのだ」という考え方かな。

カチューシャ
カチューシャ

こういうエリート意識があった上に、ユダヤ人が政財界を牛耳っていたこともあって、反ユダヤ思想はヨーロッパに根深く存在してたよ。その最大がホロコーストだけど、ロシア帝国にも民衆による反ユダヤ暴行は存在してて、「ポグロム」といったよね。1880年~90年ごろにちょうどウクライナ辺りで大規模なポグロムが発生しているから一応、紹介しとくわよ。

29文目

Бог с начала мира, не переставая, любил и любит один наш народ.

サーニャ
サーニャ

с: since, 前置詞, ※withのときは造格支配, from,sinceのときは生格支配 начала(начало):始まり,名詞,生格  переставая(переставать): stop, 副動詞(現在・能動) любил(любить) :好きである,男性,過去,単数 любит(любить): 好きである, 男性, 現在,単数  

響

「народ」は「ナロードニキ運動」の「ナロード」だ。「人民」「国家」だな。

意外とнародは不活動体なんだ。

Бог (с начала мира), (не переставая), любил и любит один наш народ.

「神は天地開闢以来、絶えずわたしたちユダヤ人だけを愛し続けてきたのだ。」

30文目

И если теперь и рассеян наш народ на земле, то это только испытание, а бог, как и обещал, соберет опять народ свой в Иерусалим с тем, чтобы восстановить чудо древности, Иерусалимский храм, поставить израиля владыкой над всеми народами.

響

если: if, 接続詞 теперь:こんにちの, 副詞 и:~も рассеян:рассеять(散らばる)の形動詞(過去受動=past participle passive=ppp)短語尾  испытание:試練, 主格 как и:too/also、副詞 обещал(обещать):約束する, 動詞男性過去 соберет(собрать):集める、三人称単数現在 ※出没母音 опять:再び(again)、副詞 в(対格支配のとき):~へ、前置詞 Иерусалим:エルサレム、対格 с тем, чтобы V不定形:in order to V(≒≪для того≫, чтобы) восстановить:取り戻す、不定形 чудо:奇跡(対格) древности(древность):古代、生格 Иерусалимский:エルサレムの храм:寺院 поставить:put/place(置く)、不定形 израиля(израиль):イスラエル、生格(※ふつう生格は後置修飾だが、今回は前置修飾) владыкой(владыкь):支配者、造格 над:over/above、前置詞、造格支配 всеми(весь):all、形容詞、複数造格 народами(народ):人々、複数造格  

カチューシャ
カチューシャ

если英語のifと同じ扱いをするっていうイメージでいいんだよね!

サーニャ
サーニャ

そうだね。「если S’ V’, (то) S V」となるよ。тоは主節の始まりを明示する役割だから、なくてもOK。「если бы 過去形 ~, (то) ~ бы 過去形~」という形で仮定法も作れるよ。これも英語と同じ作り方だね。

今回は「если теперь и рассеян наш народ (на земле)」がif節で、中身のSVは受動態になっているよ。

響

英語では「主語+be動詞+過去分詞」だが、ロシア語のbe動詞(быть)は省略可能だから、「主語+形動詞(過去受動)」という形になることもある。今回の場合、主語がнаш народ(私たちの民)で、過去分詞はрассеян(バラバラになった) だな。

カチューシャ
カチューシャ

つまり、ユダヤ人が世界中に離散した(ディアスポラ)ことを言っているんだね!

響

そうだな。そして聖書によると、今のイスラエルにあたる「カナンの地(約束の地)」を神がユダヤ人に与えたとされているから、ユダヤ人にとってイスラエル建国は悲願だったということなのだ。当然、この文章が書かれた19世紀末にはイスラエルは成立していないからな。

И (если теперь и рассеян наш народ (на земле)), то это только испытание, а бог, (как и обещал), соберет (опять) народ свой (в Иерусалим) (с тем, чтобы восстановить чудо древности, Иерусалимский храм, поставить израиля владыкой над всеми народами).

「また、もし今日においても地球に我々ユダヤ人が離散しているのならば、これは単に試練であるだけでなく、古の奇跡とイスラエルの寺院を復活させ、我々の民がイスラエルの指導者を頂くことができるように、神が約束の通り、再びわたしたちをエルサレムに集めるということだ。」

31~40文目

31文目

Так сказал еврей и заплакал.

サーニャ
サーニャ

Так:このように、副詞 еврей:ユダヤ人、名詞、主格 заплакал(заплакать):泣き始める

ユダヤ人はこう言うと、涙を流し始めた。

32文目

Он хотел продолжать речь, но бывший тут итальянец перебил его.

響

хотел(хотеть):want(~したい)※不定形が続くと、want to Vの意味。 продолжать:continue(続ける)、不定形※こちらも不定形が続くと、continue to Vの意味。 речь:話す、不定形 но:but、接続詞 бывший(быть):бытьの形動詞能動過去 тут:here、副詞 итальянец:イタリア人、主格 ※「ец」がつくと人間の男を示す。  перебил(перебить):さえぎる、男性過去 его:heの対格

Он хотел продолжать речь, но (бывший тут) итальянец перебил его.

サーニャ
サーニャ

形動詞бывший тут(ここにいた)(=being here)がитальянец(イタリア人男性)を修飾してるね。

カチューシャ
カチューシャ

自説を展開するのは、このイタリア人(キリスト教徒)で5人目かな。ここまでの4人をまとめると、

①「神はいない」と主張するペルシャ人神学者

②「神は神像に宿る」と主張する奴隷
③「神はブラフマー神のみであり、バラモンだけを護る」と主張するヒンドゥー教徒

④「神はユダヤ人のためだけにいる」と主張するユダヤ教徒

彼は話し続けたかったが、そこにいたイタリア人がさえぎった。

33文目

— Неправду вы говорите, — сказал итальянец еврею. — Вы приписываете богу несправедливость.

サーニャ
サーニャ

Неправду(неправда=не否定+правда真実): 嘘、単数対格 говорите(говорить):話す、二人称複数現在 еврею(еврей):ユダヤ人、与格 приписываете(приписывать):attribute二人称複数現在 ※「attribute A to B」=「приписывать A対格 B与格」 несправедливость:不正義・不公平さ 

Неправду вы говорите, — сказал итальянец еврею. — Вы приписываете богу несправедливость.

「あなたは嘘を言っている」とイタリア人はユダヤ人に言った。「あなたは(ユダヤ人が受けている)不公平さを神のせいにしているだけじゃないか」

34文目

Бог не может любить один народ больше других.

響

может(мочь):can(~できる)、動詞、三人称単数現在 ※V不定形を続けて、can V любить:好きだ(like) больше:より偉大な、большой比較級 других(другой):その他の、形容詞、複数生格

サーニャ
サーニャ

「народ больше других」は比較級だね!「比較級+生格」の生格はthanに当たる(比較の対象)だから、people greater than other (people) という意味かな。

Бог не может любить один народ больше других.

「神は、他より偉大なただ一つの民族を愛するなんてことはできない。」

35文目

Напротив, если он даже и покровительствовал прежде израилю, то вот уже 1800 лет прошло с тех пор, как бог разгневался и в знак своего гнева прекратил существование его и рассеял этот народ по земле, так что вера эта не только не распространяется, но только кое-где остается.

サーニャ
サーニャ

Напротив:反対に、副詞 даже:even ※еслиと呼応してeven if) покровительствовал (покровительствовать):守る※目的語は与格 прежде:以前(before)、副詞  израилю (израиль):イスラエル、与格 вот:here、副詞 уже:すでに、副詞  лет (год):年、複数生格 ※1800年だから複数生格 прошло (пройти):過ぎる、中性過去 с тех пор, как:since(~以来)、接続詞 разгневался (разгневаться):怒る、男性過去 в(対格支配):~を経て знак:しるし、対格 гнева(гнев):怒り、生格 прекратил (прекратить):stop, 男性過去 существование:存在(existence)、対格(非活動体) рассеял (рассеять):離散させる по:~じゅうに、前置詞 так что:so/therefore、接続詞 вера:信仰、主格  не только ~но 《и》… :not only~but 《also》… распространяется (распространяться):広がる、三人称単数現在 кое-где:ところどころ、副詞 остается(остаться):remain、三人称単数現在 

(Напротив), (если он даже и покровительствовал (прежде) израилю), то вот уже 1800 лет прошло (с тех пор, как бог разгневался и (в знак своего гнева) прекратил уществование его и рассеял этот народ (по земле)), так что вера эта не только не распространяется, но только кое-где остается.

「逆に、たとえ神が以前イスラエルを護っていたとしても、神が怒り、そのしるしとしてイスラエルの存在を抹消し、この民族を地球のあちこちに離散させたときから、いまとなっては1800年が経過したのだ。だからその信仰は単に広がらなかったのみならず、ところどころに残っているにすぎないのだ。」

響

ローマがエルサレムに侵攻して、ユダヤ人がイスラエルから追い出されたのは紀元70年のこと。たしかに1800年くらいが経過しているといえそうだな。

36文目

Бог не оказывает предпочтения никакому народу, а призывает всех тех, которые хотят спастись, в лоно единой римско-католической церкви, вне которой нет спасения.

サーニャ
サーニャ

оказывает(оказывать):示す предпочтения(предпочтение) :好み、複数対格 никакому(никакой) : no、与格  призывает(призывать) :呼び出す、三人称単数現在  тех(тот):こと、複数対格※先行詞になる которые(который):関係代名詞、男性複数、主格  хотят(хотеть):want  спастись:save/escape лоно:女性の胸、対格 единой(единый):唯一の、女性生格 римско-католической(римско-католический):(ローマ)カトリックの、女性生格 церкви(церковь):教会、女性、生格 вне:out of、前置詞、生格支配 которой(который):関係代名詞、女性、生格 нет:there isn’t、存在動詞естьの否定。   спасения(спасение):救い、生格

カチューシャ
カチューシャ

в лоно единой римско-католической (唯一のカトリック教会の胸によって)…ってどういうことよ。急にえっちになったんだけど。

響

ほ、ほら、胸は包容力の象徴、ってところだ。

「胸」ではなくて「母心」「慈悲の心」「仁愛」あたりでよいだろうか。

サーニャ
サーニャ

《当サイトは全年齢対象を心がけておりますのでご安心ください》

響

とはいっても、パッケージではR18の雰囲気がないのに、実は半分くらいR18の同人ゲーなんてよくある話じゃない。
↓らき☆すた二次の「らっきー☆らいふ」。とってもхорошо。

カチューシャ
カチューシャ

誰に伝わるのよ。こんなネタ。

Бог не оказывает предпочтения (никакому народу), а призывает всех тех, (которые хотят спастись), в лоно (единой римско-католической церкви, ((вне которой) нет спасения)).

サーニャ
サーニャ

「вне которой нет спасения」は、英語では「out of which there isn’t saving」。
否定生格(否定の存在動詞を使うとき、主語を生格にする)が使われているね!

「神は一つの民族だけに愛情を示すのではなく、唯一たるローマカトリック教会の仁愛を通し、救いを求めるすべての人間を気にかけている。ローマカトリックの外に救いはないのだ。」

37文目

Так сказал итальянец. Но бывший тут протестантский пастор, побледнев, отвечал католическому миссионеру:

響

протестантский:プロテスタントの пастор:牧師 побледнев:побледнеть(青ざめる)の副動詞、完了※having turned paleの意味になる。 отвечал(отвечать):反応する/答える、男性過去 миссионеру:宣教師、与格 

(Так) сказал итальянец. Но (бывший тут) протестантский пастор, (побледнев), отвечал католическому миссионеру:

このようにイタリア人が言った。だが、そこにいたプロテスタントの牧師は青ざめ、そのカトリックの宣教師の発言に反応した。

38文目

— Как можете вы говорить, что спасение возможно только в вашем исповедании?

サーニャ
サーニャ

Как:as(~ように)  можете(мочь):can、二人称複数  спасение:救い、主格 возможно:possibly、副詞 исповедании:宗派・信条  

— Как можете вы говорить, что спасение (возможно) (только) в вашем исповедании?

「救いがあなたたちの宗派だけにありうると言えるでしょうか?」

39文目

Знайте же, что спасены будут только те, которые, по евангелию, будут служить богу в духе и истине по закону Иисуса.

響

Знайте(знать):知る、命令形 же:but、接続詞 спасены:спасти(守る)の形動詞・受動過去・複数 будут:бытьの未来三人称複数 те(тот):that、複数主格※先行詞 которые:関係代名詞、複数主格 по:under、前置詞、与格支配 евангелию(евангелие):福音主義者、与格 служить:serve духе(дух):魂、前置格 истине(истина):真実、前置格 закону(закон):支配、与格支配 Иисуса(Иисус):イエス 

カチューシャ
カチューシャ

「евангелие」は「イェヴァンゲリェ」だね。

…「エヴァンゲリオン」だ!

サーニャ
サーニャ

そだね。「エヴァンゲリオン」はもともと「福音伝達者」という意味だね。福音(キリストの教え)を伝達する人たちのことだよ。だから本来は使徒と戦っちゃダメなの。

響

「евангелие」は「福音伝道者」で、エヴァンゲリオンと同じ意味。英語ならevangelist。

カチューシャ
カチューシャ

プロテスタントはそもそもローマ教会に対する「抵抗」として成立したんだよね。

だから、教会の言うことじゃなくて、聖書に書かれたイエスの言葉(=福音)のみを信仰のよりどころとしていたんだよ。

Знайте же, (что спасены будут (только) те, которые, (по евангелию), будут служить богу (в духе и истине) (по закону Иисуса)).

サーニャ
サーニャ

「что」は「Знайте」の目的語のчто節を作る接続詞(英語のthat)だね。

響

あとこの文章では受動態が使われているが、受動態は「主語+быть+形動詞受動過去」で作るんだったな。未来形は(不完了体なら)「быть未来形+不定形」だ。

「でも、知っておかねばならないでしょう。イエス・キリストの下、魂と真実をもって、福音に従って神に仕えることになる人たちだけが守られることになるのだ、ということを。」

カチューシャ
カチューシャ

「魂と真実をもって」ってどういうことよ。

サーニャ
サーニャ

キリスト教圏の文学では「わからなくなったら聖書を見よ」が鉄則よ。

ヨハネによる福音書の4章23-24節を見てみましょ。ロシアで使われている「シノド聖書」と呼ばれるバージョンと、英語圏で使われている「標準英語訳聖書(ESV)、それに日本語の訳を並べておくわ。

[23] Но настанет время и настало уже, когда истинные поклонники будут поклоняться Отцу в духе и истине, ибо таких поклонников Отец ищет Себе. [24] Бог есть дух, и поклоняющиеся Ему должны поклоняться в духе и истине.

[23] But the hour is coming, and is now here, when the true worshipers will worship the Father in spirit and truth, for the Father is seeking such people to worship him. [24] God is spirit, and those who worship him must worship in spirit and truth.

[23] しかし、まことの礼拝をする者たちが、霊と真理をもって父を礼拝する時が来る。今がその時である。なぜなら、父はこのように礼拝する者を求めておられるからだ。[24] 神は霊である。だから、神を礼拝する者は、霊と真理をもって礼拝しなければならない。

カチューシャ
カチューシャ

なるほど、ここは聖書からの引用だったわけね。

サーニャ
サーニャ

あとは、この部分を検索すれば聖書解説サイトとかで意味が出てくるよ。

カチューシャ
カチューシャ

なるほど、「worship…in spirit and truth」の「spirit」は心(魂)から信仰すること、「truth」はキリストの正しい教えに従って信仰すること、ってことだね!

響

この部分、そこそこ有名なセリフだからな。

Fate/Zero(Season2、4話)で、言峰綺礼の父が遺言として書き残したセリフ(Jn424=ヨハネによる福音書4章24節)にもなってたはず。

40文目

Тогда турок, служащий в суратской таможне, который тут же сидел, куря трубку, с важным видом обратился к обоим христианам.

サーニャ
サーニャ

тогда:そのとき турок:トルコ人の男 служащий:служить(仕える)の形動詞・能動現在(~している) суратской(суратский):スーラトの、前置格 таможне(таможня):税関 тут:ここに  же:すでに который:関係代名詞、主格、男性単数 сидел(сидеть):座る、男性過去 куря:курить (smoke)の副動詞・現在 трубку (трубка):パイプ/キセル、対格 важным (важный):もったいぶった、造格、単数、男性 видом(вид):見た目 обратился кё(обратиться к): 声をかける обоим(оба):両方の、与格※形容詞  христианам (христиан):キリスト教徒/クリスチャン、複数与格 

(Тогда) турок, (служащий в суратской таможне), (который тут же сидел, (куря трубку)), (с важным видом) обратился к обоим христианам.

そのとき、スーラトの税関で働いているトルコ人の男が、その両方のクリスチャンに対して発言した。彼はここに先ほどから座っていて、パイプをくゆらせ、もったいぶった様子だった。

41~50文目

41文目

— Напрасно вы так уверены в истине своей римской веры,— сказал он.

響

уверены:уверенный(confident、自信がある、確信している)の短語尾、複数 истине(истина):真実 римской (римский):ローマの、生格 веры (вера):信仰、単数生格 напрасно:無駄に、副詞

— (Напрасно) вы так уверены в истине (своей римской веры),— сказал он.

カチューシャ
カチューシャ

明らかに受動態だね!

вы уверены」は英語に直訳すると「you are assured」だから「確信している」と綺麗にやくせるはず。

「あなたたちはそんな風に、自分たちのローマの信仰が正しいのだと確信しているようだが、意味のないことだ。」と彼は言った。

42文目

— Ваша вера уже около шестисот лет тому назад заменена истинною верою Магомета.

サーニャ
サーニャ

около:ほぼ、副詞 шестисот:600 назад:ago заменена:заменить(replace)の形動詞・受動・過去・短語尾・女性 истинною(истинный):真の、女性造格 верою(вера):信仰、造格 Магомета(Магомет):ムハンマド、生格  

響

заменена (истинною верою Магомета).の部分は、замененが受動態を構成しているのはいいとして、「истинною верою」は造格になっている。こういうときの造格は英語の受動態における「by~」の部分を表すからな。

Ваша вера (уже) (около шестисот лет тому назад) заменена (истинною верою Магомета).

「あなたたちの信仰は約600年ほども前に、既にムハンマドの真の信仰によってとってかわられたのだ。」

カチューシャ
カチューシャ

イスラム教成立は7世紀前半のことで、この小説の舞台は19世紀。
600年前というと1200~1300年ごろのことで、発言者がトルコ人ということも鑑みると、オスマン帝国の成立(1300年ごろ)と符合するね!

響

この小説が書かれた19世紀末のオスマン帝国は世界から「瀕死の病人」とみなされていた衰退国家だが。

43文目

И, как вы сами видите, истинная вера Магомета всё больше и больше распространяется и в Европе, и в Азии, и даже в просвещенном Китае.

響

сами(сам):~self、複数主格/対格 видите(видеть):見る、二人称複数 всё:always、副詞 больше и больше:more and more(ますます) распространяется (распространяться):広がる、三人称単数現在  даже:only просвещенном:просветить(啓蒙する)の形動詞・受動・過去 Китае(Китай):中国

サーニャ
サーニャ

какはasと同じような意味だね。「~のように」かな。

И, (как вы сами видите), истинная вера (Магомета) (всё) (больше и больше) распространяется и (в Европе), и (в Азии), и даже (в просвещенном Китае).

「そして、ご自分で見てみればわかるでしょう。ムハンマドの真の信仰は常にますます広まっていっているのです。ヨーロッパにも、アジアにも、そして啓蒙された区域の中国にまで。」

カチューシャ
カチューシャ

オスマン帝国は17世紀の最盛期以降、どんどん領土を失っていったんだけど、1878ベルリン条約以降でもかろうじてヨーロッパにも領土が残っているね!

https://sekainorekisi.com/glossary/%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%83%9E%E3%83%B3%E5%B8%9D%E5%9B%BD/

44文目

Вы сами признаете, что евреи отвержены богом, и доказательством тому приводите то, что евреи в унижении и вера их не распространяется.

サーニャ
サーニャ

признаете(признать):認める、二人称複数現在 евреи:ヘブライ/ユダヤ人 отвержены:отверженный(追放された)の短語尾複数 доказательством(доказательство):証拠、造格(~として)  приводите(приводить):みちびく、もたらす то, что:чтоと同じ。関係詞にも接続詞にもなる。 унижении(унижение) :屈辱、前置格 ※-ие で終わる

ものは前置格がии 

Вы сами признаете, что евреи отвержены (богом), и (доказательством) тому приводите (то, что (евреи в унижении) и (вера их не распространяется)).

「あなた方は認めているでしょう。ユダヤ人は神によって追放され、その証拠として、ユダヤ人は屈辱を味わっていて、信仰が広まらなかったということがもたらされているということを。」

45文目

Признайте же истинность веры Магомета, потому что она находится в величии и постоянно распространяется.

響

Признайте(признать):認める、выに対する命令形 истинность:真実、女性名詞 находится(находиться):位置する、三人称単数現在 величии(величие):greatness、前置格 постоянно:絶えず、副詞

カチューシャ
カチューシャ

「истинность веры Магомета」は「ムハンマド信仰真実」というふうに生格が2つ続いているわけだね!

Признайте же истинность веры Магомета, потому что она находится (в величии) и постоянно распространяется.

「そしてムハンマドの信仰こそが真実だと認めなさい。なぜなら、その信仰(の範囲)は広大で、絶えず拡大を続けているからです。」

46文目

Спасутся только верующие в последнего пророка божия, Магомета.

響

Спасутся(спастись):救う、三人称複数現在 верующие(верующий):信仰者、複数主格、対格 последнего(последний):最後の 生格、対格  пророка(пророк):預言者、対格 божия(божий):神の、主格女性

Спасутся (только) верующие (в последнего пророка божия, Магомета).

サーニャ
サーニャ

「божия」が古い言葉でよくわからなくなっているけど、「божия」が生格or対格とすればまあ意味はとれるわ。

そうすると不定人称文になるかな?

カチューシャ
カチューシャ

ふてーにんしょーぶん?

サーニャ
サーニャ

主語がない文章のことよ。動詞が三人称複数になるの。

訳するときは受動態的に訳してあげましょ。

「護られるのは、最後の神の預言者たるムハンマドに従う信仰者だけなのです。」

47文目

И то только последователи Омара, а не Али, так как последователи Али — неверные.

響

то:そう последователи(последователь):follower、主格複数 Омара(Омар):ウマル Али:アリ так как:なぜなら、接続詞 неверные(неверный):偽の

И то только последователи Омара, а не Али, (так как последователи Алиневерные).

響

「то только последователи Омара」の「то」は前文の内容(守られる対象)かな。

「ウマルの信者だけがそうなのです。アリの信者ではありません。なぜなら、アリの信者は偽物だからです。」

カチューシャ
カチューシャ

ウマルはイスラム教の2代目正統カリフ(指導者)だね! スンナ派(多数派、教えを重視)の人から崇められているよ。一方アリはシーア派(少数派、血統重視)の開祖だね。

オスマン帝国はスンナ派の国、ペルシャ(イラン)はシーア派の国だよ。これは忘れないでね!

48文目

При этих словах персидский богослов, принадлежащий к секте Али, хотел возразить.

響

при:~のときに、前置格支配 персидский:ペルシャ人の принадлежащий:принадлежать(属する)の形動詞、現在、能動 секте(секта): セクト、宗派、与格 возразить:反対する、不定形  

(При этих словах) персидский богослов, (принадлежащий к секте Али), хотел возразить.

この言葉を耳にして、ペルシャ人の神学者は、アリの宗派に属していたから、反対したかった。

49文目

Но в кофейной в это время поднялся великий спор между всеми бывшими тут иностранцами разных вер и исповеданий.

響

в:at※時間の前置詞のときは対格。 поднялся:上がる、男性過去 великий:great спор:議論 между:between、造格支配 иностранцами:外国人、複数造格 разных:different、複数生格 вер:信仰、複数生格 исповеданий:信条、複数生格(※иеでおわるものは複数生格がий) 

カチューシャ
カチューシャ

3単語目「кофейной」は前置格なのはわかるけど、女性よね。なんでかしら。

サーニャ
サーニャ

店だから女性なのかな。

Но (в кофейной) (в это время) поднялся великий спор (между всеми (бывшими тут) иностранцами (разных вер и исповеданий)).

でも、喫茶店にはこのとき、そこにいた様々な信仰と信条をもつあらゆる異邦人の間で激しい議論がヒートアップしていた。

50文目

Были тут христиане абиссинские, индийские ламы, исмаилиты и огнепоклонники.

響

христиане:クリスチャン、複数、主格 абиссинские:アビシニア(エチオピア)の индийские:インド人 ламы:ラマ教、生格 исмаилиты:イスマーイール派の信仰者、複数主格 огнепоклонники:ゾロアスター教の信仰者、複数主格 

カチューシャ
カチューシャ

エチオピア帝国は植民地にならなかったから土着信仰かな?って思っちゃうけど、キリスト教の一派のアビシニア正教が国教だったよ! ↓アディスアベバにある教会

サーニャ
サーニャ

ラマ教はOKだよね。現代では「チベット仏教」と言うことが一般的かな。

イスマーイール派はイスラム教の一派。成立過程はややこしすぎてわけわかんないわ。

ゾロアスター教も世界史必出だからだいじょぶ? 最古クラスの宗教で、「最後の審判」の思想を持ってたり、火を崇めたりしてるよね。

Были тут христиане абиссинские, индийские ламы, исмаилиты и огнепоклонники.

そこには、アビシニア正教のクリスチャン、ラマ教のインド人、それにイスマーイール教徒とゾロアスター教徒までいた。

カチューシャ
カチューシャ

宗教のパレードみたいだね!

51~60文目

51文目

Все спорили о сущности бога и о том, как нужно почитать его.

響

спорили:議論する сущности:エッセンス нужно:必要な(necessary)、無人称述語 почитать:尊敬する

サーニャ
サーニャ

無人称述語は、it is for~ to Vの構文に置き換えるとちょっとわかりやすいね!

как нужно почитать егоのところは、how it is necessary to respect God.となるよ。

Все спорили (о сущности бога) и (о том, как нужно почитать его).

みんな、神の真髄や、どのように神を崇めなければならないのかについて議論していた。

52文目

Каждый утверждал, что только в его стране знают истинного бога и знают, как надо почитать его.

サーニャ
サーニャ

Каждый:each, everyone утверждал:claim, affirm(主張する) истинного:正しい надо:無人称述語。must not(してはならない)。  

Каждый утверждал, что (только в его стране) знают истинного бога и знают, как надо почитать его.

響

「(только в его стране) знают истинного бога」のところは、どうでもいい主語を削った不定人称文だな。主語が三人称複数になっているのが目印だ。訳すときは受身で。

全員、自分たちの国だけで正しい神が信じられているということや、神をどんなふうに崇めてはならないかを知っているのだ、と主張した。

サーニャ
サーニャ

that節にあたるのは、чтоもкакも作れるけど、前者はただの「~ということ」、後者は「~する様子」かな。

53文目

Все спорили, кричали.

響

кричали:叫ぶ

Все спорили, кричали.

議論は紛糾し、みな叫んでいた。

54文目

Один только бывший тут китаец, ученик Конфуция, сидел смирно в углу кофейной и не вступал в спор.

響

китаец:中国人 ученик:信者 Конфуция:孔子 сидел:座る(※不完了体) смирно:静かに углу:隅 вступал:加わる(不完了体)  

(Один только бывший тут) китаец, (ученик Конфуция), сидел смирно (в углу кофейной) и не вступал (в спор).

そこにいた人たちの中でただ一人、孔子の信者である中国人は、喫茶店の隅に静かに座っており、議論に加わっていなかった。

55文目

Он пил чай, слушал, что говорили, но сам молчал.

響

пил:飲む、過去  сам:自分(oneself)、主格 молчал:黙っている 

Он пил чай, слушал, что говорили, но сам молчал.

サーニャ
サーニャ

что」は英語で言うところの間接疑問文をつくるものだね。

чтоの中は不定人称文で、что говорили=what (they) talk about となるよ。

彼は茶を飲み、話されていることを聞いていたが、自分は黙っていた。

56文目

Турок, заметив его среди спора, обратился к нему и сказал: — Поддержи хоть ты меня, добрый китаец.

サーニャ
サーニャ

Турок:トルコ人 заметив:заметить(notice, 気づく)の副動詞 среди:among、生格支配 Поддержи:support、命令 хоть:せめて、副詞 

カチューシャ
カチューシャ

добрый китаецは呼びかけだね!

Help me, Eirin!みたいなところ!

Турок, (заметив его среди спора), обратился (к нему) и сказал: — Поддержи хоть ты меня, (добрый китаец).

トルコ人の男は、議論の中、その男に気づき、彼に声をかけて言った。「せめてわたしの援護射撃くらいはしてくれよ、親切な中国人さん。」

57文目

Ты молчишь, но ты мог бы сказать кое-что в мою пользу.

響

мог(моть):can、男性過去  бы:英語のwould, might, could的なもの。弱めたり、仮定法にしたりする。 кое-что:something в пользу:in favor of(~賛成する) 

Ты молчишь, но ты мог бы сказать кое-что (в мою пользу).

「お前さんは黙っているが、ひょっとするとわたしに味方してくれるようなことを何か言ってくれるんじゃないかね?」

58文目

Я знаю, что у вас в Китае вводятся теперь разные веры.

響

вводятся(вводиться):вводить(もたらす)のся動詞。辞書に意味がない。ся動詞は古文「ゆ」と同じで受身の意味になったりするから、「もたらされる」かな。 теперь:now, today、副詞 

Я знаю, что (у вас) (в Китае) вводятся (теперь) разные веры.

「わたしは知っている。中国のあなたのところにも、こんにち、様々な宗教がもたらされているということを。」

59文目

Ваши торговцы не раз говорили мне, что ваши китайцы из всех других вер считают магометанскую самой лучшей и охотно принимают ее.

響

торговцы:商人 не раз:何回も、副詞 других:another считают:consider ※считать 対格 造格で「(対格)を(造格)として考える/みなす」(造格には形容詞の造格形が入ってもOK) магометанскую:ムハンマドの信者 самой:最も лучшей:best охотно:喜んで、副詞 принимают:受け入れる 

Ваши торговцы (не раз) говорили мне, что ваши китайцы (из всех других вер) считают магометанскую самой лучшей и (охотно) принимают ее.

サーニャ
サーニャ

「раз」は「once」(1回)という意味だから、「не раз」は「not once」で「一度もない」と思っちゃうよね。でも、「1回じゃない」=「何回でも」という意味になっちゃうんだ。

一度もない」は、「~もない」という意味の「ни」をつかって「ни раз」になるよ!

区別してね!

「あなた方の商人が何回もわたしに話してくれたことだが、あなたたちの中で他の宗教を信じている中国人はみな、ムハンマドの信者がもっともすぐれているとみなし、さらにはその信仰を喜んで受け入れているというではないか。」

カチューシャ
カチューシャ

считают магометанскую самой лучшейの部分、「магометанскую」は対格、「самой лучшей」が造格だね!

60文目

Поддержи же мои слова и скажи, что ты думаешь об истинном боге и его пророке.

サーニャ
サーニャ

же:and / after all скажи:сказать(言う)の命令形。 пророке:預言者 

Поддержи же мои слова и скажи, что ты думаешь (об истинном боге и его пророке).

「ともあれ、わたしの言葉に味方しなさい。そして、本当の神と預言者のことについて考えているのだと言いなさい。」

61~70文目

61文目

— Да, да, скажи, что ты думаешь, — обратились к нему и другие.

響

другие:другой(other)の名詞化。

サーニャ
サーニャ

「что ты думаешь」は「that you think」じゃなくて「what you think」(чтоは関係代名詞)かな。

「обратились」は複数の形だから、不定人称文となっていると考えてよさそうだね。

— Да, да, скажи, что ты думаешь, — обратились к нему и другие.

「そうだ、そうだ。何を考えているか言ってみよ。」と中国人とその他の人に呼びかけた。

62文目

Китаец, ученик Конфуция, закрыл глаза, подумал и потом, открыв их, выпростал руки из широких рукавов своей одежды, сложил их на груди и заговорил тихим и спокойным голосом.

響

закрыл:閉じる глаза:目、複数対格 подумал:考える(※完了体) потом:then・after that、副詞 открыв:открыть(開ける)の副動詞、完了 выпростал:出す  руки:腕、複数形  широких:wide рукавов:袖 одежды:服 сложил:組む груди:胸  заговорил:話し始める тихим:平和な  спокойным:静かな голосом:声

カチューシャ
カチューシャ

「тихим и спокойным голосом.」は造格だね!前置詞以外でこんな風にポンと造格が出てくると、まだ戸惑っちゃうけど。

Китаец, (ученик Конфуция), закрыл глаза, подумал и потом, (открыв их), выпростал руки (из широких рукавов своей одежды), сложил их (на груди) и заговорил (тихим и спокойным голосом).

孔子の信者の中国人は、目を閉じ、少し考えて、その後目を開けると、自分の服の広い袖から腕をのばして、胸の上で組み、静かで穏やかな口調で話し始めた。


63文目

— Господа, — сказал он, — мне кажется, что самолюбие людей более всего другого мешает их согласию в деле веры.

サーニャ
サーニャ

Господа:gentlemen кажется:seem самолюбие:self-esteem(自尊心) людей:人、複数生格 другого:他の(他人) мешает:邪魔をする согласию:合意 деле:真実  

響

「мне кажется」は無人称文だな。無人称文は英語でいうところの、意味のない「it」を使っている文章だ。ここは英語だと It seems to me~というところ。もちろんこのitにも意味がないから、無人称文になって、「мне(to me) кажется(=seems)」となっているわけだ。意味上の主語が与格になるのはいいとして、動詞は三人称単数になるから、不定人称文(動詞は三人称複数)との違いに注意、なのだ。

— (Господа), — сказал он, — (мне) кажется, что самолюбие людей (более всего другого) мешает их согласию (в деле веры).

サーニャ
サーニャ

比較級にも慣れたかな?

ここでは「более всего другого」が比較級+生格だね!

「紳士諸君」と彼は言った。「わたしが思うに、他の誰よりも自分の自尊心が高いということが、信仰の真実をめぐっての合意を邪魔しているのではないかね。」

64文目

Еслп вы потрудитесь меня выслушать, я объясню вам это примером.

響

потрудитесь:努力する выслушать:聞く объясню:説明する  примером:比喩、造格

サーニャ
サーニャ

потрудитесь меня выслушатьは英語だと「try to listen to me」で、меняはвыслушатьの目的語。объясню вам это は英語だと「explain to you this」で、対格と与格があるね。

カチューシャ
カチューシャ

比喩を用いて説明するのは漢文ではよく出てくる説得方法だね!

(Еслп вы потрудитесь меня выслушать), я объясню вам это (примером).

「もしあなたたちがわたしの言うことを聞こうとするなら、わたしはひとつ、例を用いてあなたたちにこのことを説明しましょう。」

65文目

Я выехал из Китая в Сурат на английском пароходе, обошедшем вокруг света.

サーニャ
サーニャ

выехал:leave на移動手段を表す。 пароходе:蒸気船 обошедшем:обошедший(обойти(travel around)の形動詞)の前置格→пароходеを修飾 вокруг:around、前置詞;生格支配 света:世界・光

Я выехал (из Китая) (в Сурат) (на английском пароходе, (обошедшем вокруг света)).

響

ロシア語の「世界」を表す言葉は「мир」と「свет」があるんだが、「мир」には「平和」という意味もあるし、「свет」には「光」という意味もある。わたしはこれに惚れた。

世界中をめぐるイギリスの蒸気船に乗って、わたしは中国を出てスーラトにやって来た。

カチューシャ
カチューシャ

蒸気船は19世紀において主要な海上交通手段だね!

タイタニック(1911)とかも蒸気船だよね!

66文目

По пути мы пристали к восточному берегу острова Суматры, чтобы набрать воды.

響

пути:道 пристать к:come alongside восточному:東の берегу:岸 острова Суматры:スマトラ島 набрать:手に入れる(※目的語は生格) воды:水 

(По пути) мы пристали (к восточному берегу острова Суматры), чтобы набрать воды.

道中、わたしたちはスマトラ島の東の岸に沿って進んだ。水を得るためだ。

67文目

В полдень мы сошли на землю и сели на берегу моря в тени кокосовых пальм, недалеко от деревни жителей острова.

サーニャ
サーニャ

полдень:midday сошли:下りる сели(сесеть):上陸する тени:影 кокосовых:ココナッツの пальм:ヤシ недалеко:近い от:(away) from、生格支配 деревни:村 жителей:住人 острова:島 

(В полдень) мы сошли (на землю) и сели (на берегу моря) (в тени кокосовых пальм), (недалеко от деревни (жителей острова)).

真昼のこと、わたしたちは地に下り立ち、ココヤシが生えている海岸に上陸した。そこは島民の村から遠くはないところだった。

68文目

Нас сидело несколько человек из различных земель.

響

сидело:be動詞と同じようなもの。несколько:some,several человек:人 различных:様々な 

Нас сидело несколько человек (из различных земель).

サーニャ
サーニャ

無人称文だね。中性だし。「сидело」が「状態」だからってことなのかな。

こういうときは、普通に「Нас」を「We」(主語)と見てあげればいいかな。

わたしたちの中には、異なる土地出身の人が数名いた。

69文目

Пока мы сидели, к нам подошел слепой.

響

Пока:while сидели:座る подошел:近づく слепой:目の見えない人 

(Пока мы сидели), (к нам) подошел слепой.

わたしたちが座っていると、ある盲人が近づいてきた。

70文目

Человек этот ослеп, как мы узнали после, оттого, что слишком долго и упорно смотрел на солнце.

サーニャ
サーニャ

ослеп:目が見えなくなる после:後で оттого, что:that is why слишком:too (much) долго:long time упорно:ずっと солнце:太陽 

Человек этот ослеп, (как мы узнали после), (оттого, что (слишком долго) и (упорно) смотрел (на солнце)).

わたしたちは後から知ったのだが、この人は目が見えなくなっていた。だから、あまりに長い間ずっと太陽を見ていたのだ。

71~80文目

71文目

А смотрел он так долго и упорно на солнце потому, что захотел понять, что такое солнце.

響

потому, что:because захотел:want 

А смотрел он (так) (долго и упорно) (на солнце) потому, что захотел понять, что такое солнце.

カチューシャ
カチューシャ

понять, что такое солнце.」は英語の間接疑問文といっしょで、「understand what this sun (is)」だね。

それでも彼がこんな風にずっとずっと太陽を見ていたのは、この太陽が何なのか理解したかったからだ。

72文目

Он хотел это узнать, чтобы завладеть светом солнца.

響

завладеть:手に入れる

Он хотел это узнать, (чтобы завладеть светом (солнца)).

彼は太陽を知りたがっていた。太陽の光を手に入れるためだ。

73文目

Бился он долго, пускал в дело все науки, хотелось ему захватить несколько лучей солнца, поймать их и закупорить в бутылку.

響

би́ться:struggle, fight пуска́ть:発揮する де́ло:真実 нау́ка:知識 хоте́ться:want захвати́ть:capture не́сколько:several луч:光線 пойма́ть:catch заку́порить:閉じ込める буты́лка:ボトル 

Бился он (долго), пускал (в дело все науки, хотелось ему захватить несколько лучей солнца, поймать их и закупорить (в бутылку).

彼は長い間奮闘し、あらゆる正しい知識を用いて来た。太陽を得たいと思い、幾許かの太陽の光線を欲し、それをとらえてボトルの中に閉じ込めた。

74文目

Долго он бился и всё смотрел на солнце и ничего не мог сделать, а сделалось с ним только то, что от солнца у него заболели глаза и он ослеп.

響

ничего:nothing сде́латься:happen, matter от:because of заболе́ть:get sick глаз:eye осле́пнуть:失明する

(Долго) он бился и всё смотрел (на солнце) и ничего не мог сделать, а сделалось (с ним) только то, что (от солнца) (у него) заболели глаза и он ослеп.

彼は長い間奮闘し、ずっと太陽を見ており、他のことは何もできなかった。でも結局のところ、彼は単に太陽のせいで自分の目を傷め、失明しただけだった。

75文目

Тогда он сказал себе: — Свет солнечный не жидкость, потому что если бы он был жидкостью, то можно было бы переливать его, и он колебался бы от ветра, как вода.

サーニャ
サーニャ

Тогда:then жи́дкость:液体 перелива́ть:別のところに置く колеба́ться:波打つ ве́тер:wind 

響

если бы он был жидкостью, то можно было бы переливать его, и он колебался бы от ветра, как вода.」は仮定法、なのだ。「если бы 過去形 , то бы 過去形」だな。

(Тогда) он сказал себе: — Свет солнечный не жидкость, (потому что (если бы он был жидкостью), то можно было бы переливать его, и он колебался бы (от ветра), (как вода)).

そのとき、彼は独り言を言った。「太陽の光は液体ではない。なぜなら、もしそれが液体なら、それは置いておくことができるし、それは風が吹いたら水のように波打つはずだ。」

76文目

Свет солнечный тоже не огонь, потому что если бы это был огонь, он бы тух в воде.

響

то́же:also ого́нь:炎 ту́хнуть:消える(тухは男性過去形の古い形)

Свет солнечный (тоже) не огонь, потому что (если бы это был огонь), он бы тух (в воде).

「太陽の光はまた炎でもない。なぜなら、もし炎なら、水の中で消えてしまうからだ。」

77文目

Свет тоже не дух, потому что он виден, и не тело, потому что нельзя им двигать.

響

дух:魂 ви́дный:目に見える(※短語尾) те́ло:体 им:theyの与格 дви́гать:動く

カチューシャ
カチューシャ

нельзяは無人称文で使う頻出の無人称述語! cannot だね!

意味上の主語はимで、与格になってるよ!

Свет тоже не дух, (потому что он виден), и не тело, (потому что нельзя им двигать).

「その光は霊魂でもない。目に見えるからだ。また、身体でもない。動けないからだ。」

78文目

А так как свет солнечный не жидкость, не твердое, не дух, не тело, то свет солнечный — ничто.

響

так как:since(接続詞) твёрдый:固体の то:いつもの(какと呼応) ничто:nothing 

サーニャ
サーニャ

ロシア語で、「S be 名詞C」の構文を作るとき、Sが代名詞以外で、be動詞が現在形(есть)だったら、普通はестьを「―」(ダッシュ)に置き換えるよ!

А (так как свет солнечный не жидкость, не твердое, не дух, не тело), то свет солнечный — ничто.

「さて、こうして太陽の光は液体でも、固体でも、霊魂でも、身体でもないのだから、太陽の光は、無である。」

カチューシャ
カチューシャ

対句(液体↔固体、霊魂↔身体)を用いたり、「~でもない」を続けて結論を導くあたり、話の展開の仕方がすごく漢文っぽいね!

79文目

Так он рассудил и в одно время от того, что всё смотрел на солнце и всё думал о нем, потерял и зрение и разум.

響

рассудил:think всё:always потеря́ть:失う зре́ние:視覚 ра́зум:理性

Так он рассудил и (в одно время) (от того, что всё смотрел (на солнце) и всё думал о нем), потерял и зрение и разум.

カチューシャ
カチューシャ

「и~и~」は「~も~も」という意味だね!

このように彼は考えており、ある時、ずっと太陽を見て、ずっと太陽について考えていたせいで、視力も理性も失ってしまった。

80文目

Когда же он стал совсем слеп, тогда уже совершенно уверился в том, что солнца нет.

サーニャ
サーニャ

же:already стать:get, become(※補語を伴う) совсем:entirely слепо́й:盲目の、男性短語尾 уже́:by this time соверше́нно:totally уве́риться:make sure

(Когда же он стал совсем слеп), тогда уже совершенно уверился (в том, что солнца нет).

彼が完全に盲目になってしまったときには、太陽は存在しないのだと完全に確信した。

カチューシャ
カチューシャ

もうわかったよ! ここでの太陽を見続けて太陽を信じられなくなった人は、神を考えすぎて神を信じられなくなったペルシャ人神学者に対応する存在なんだね!

響

верно!(ベルヌーイ(верный=true, right)だけに)

サーニャ
サーニャ

верныйはアクセントが「е」だから「ビェルニー」が適切な読み方なんだけどなぁ。

81~90文目

81文目

С этим слепцом подошел и его раб.

サーニャ
サーニャ

слепе́ц:盲目の人 подойти́:歩いてくる

(С этим слепцом) подошел и его раб.

この盲人と共に、彼の奴隷も一緒に歩いていた。

82文目

Он посадил своего господина в тень кокосового дерева, поднял с земли кокосовый орех и стал из него делать ночник.

サーニャ
サーニャ

посади́ть:put господи́н:マスター тень:影 подня́ть:拾う с:from(生格支配) оре́х:実 стать:start де́лать:do, make ночни́к:ナイトランプ、ランタン

Он посадил своего господина (в тень (кокосового дерева)), поднял (с земли) кокосовый орех и стал (из него) делать ночник.

彼は自分の主人をココナッツの木陰に寝かせ、地面からココナッツの実を拾い、そこからランタンを作り始めた。

83文目

Он сделал светильню из волокна кокосового, выжал из ореха масло в скорлупу и обмакнул в него светильню.

サーニャ
サーニャ

светильня:ランプ волокно́:繊維 вы́жать:しぼる ма́сло:油 скорлупа́:殻 обмакну́ть:灯す 

Он сделал светильню (из волокна кокосового), выжал (из ореха) масло (в скорлупу) и обмакнул (в него светильню).

彼はランプをココナッツの繊維から作り、実から殻の中にある油を搾り、ランプの中に油を灯した。

84文目

Пока раб делал свой ночник, слепой, вздохнув, сказал ему: — Ну, что, раб, правду я тебе сказал, что нет солнца? Видишь, как темно. А говорят — солнце… Да и что такое солнце?

サーニャ
サーニャ

пока́:while слепой:blind (man) вздохну́ть:ため息をつく пра́вда:真実 темно́:暗い 

カチューシャ
カチューシャ

わたしたちプラウダ高校の「правда」はロシア語だと「プラブダ」的な発音かな。

ソ連の新聞名だね!

(Пока раб делал свой ночник), слепой, (вздохнув), сказал ему: — Ну, что, раб, правду я тебе сказал, (что нет солнца)? Видишь, (как темно). А говорят — солнце… Да и что такое солнце?

奴隷が自分のランプを作っていた間、その盲人はため息をついて奴隷に言った。「おい、奴隷、太陽は存在しないのだという真実をお前に言ってやろうか? どんなに暗いか見ているだろう。それか太陽を語ったとして・・・いったいあの太陽とは何なのだね?」

85文目

— А не знаю я, что такое солнце, — сказал раб.

サーニャ
サーニャ

что такое солнцеは「what that sun (is)」で間接疑問文だね!

— А не знаю я, что такое солнце, — сказал раб.

「あの太陽が何なのか、わたしも知りません。」と奴隷は言った。

86文目

— Мне нет до него дела.

響

意味のとりにくい文章だが、幸いなことにオックスフォードの英露辞典に「какое мне до этого дега?」=「What has this to do with me?」という例文が掲載されていた。

辞書は引いてみるものだ。

— Мне нет (до него дела).

「太陽などわたしには関係のないことです。」

87文目

А вот свет знаю.

サーニャ
サーニャ

вот:there (is) / here (is)   
「я」が省略されていると考えてOKだね。

А вот свет знаю.

「でも、ここに光があることは知っています。」

88文目

Вот я сделал ночник, мне и будет светло, и тебе могу им службу оказать и всё найтп в своем шалаше

サーニャ
サーニャ

светло:明るい(無人称述語) мочь:can(могу́は1人称単数) слу́жба:奉仕・職務 оказа́ть:~をする(普通いろいろな語句と結びついて熟語を作る) найти́:find шала́ш:小屋

Вот я сделал ночник, (мне и будет светло), и тебе могу им службу оказать и всё найти (в своем шалаше).

響

無人称文での未来は、будет(быть三人称単数未来)を付け加えればいいんだったな。

「ここでわたしはランプを作りました。それはわたしにとっても明るいでしょうし、(そのランプを用いて)わたしはあなたにも奉仕することができますし、自分の小屋の中ですべてのものを見つけることができます。」

89文目

И раб взял в руку свою скорлупу. — Вот, говорит, мое солнце.

サーニャ
サーニャ

взять:取る рука́:手・腕 скорлупа́:殻 

響

「говорит」がよくわからないけど、「いわば」という感じなのだろうか。「so to speak」を思い出すぞ。

И раб взял (в руку) свою скорлупу. — Вот, (говорит), мое солнце.

そして奴隷は手を伸ばして自分のココナッツの殻を取ると、「これが、いわば、わたしの太陽なのです。」

90文目

Тут же сидел хромой с костылем.

サーニャ
サーニャ

Тут же:ここでは「ちょうどそこに」あたり хромо́й:足が不自由な人 косты́ль:松葉杖

(Тут же) сидел хромой (с костылем).

ちょうどそこへ、松葉杖をついた足が不自由な人が座った。

91~100文目

91文目

Он услыхал это и засмеялся.

サーニャ
サーニャ

услыха́ть:聞く(完了体) засмея́ться:笑いはじめる

Он услыхал это и засмеялся.

彼はこれを聞き、笑い始めた。

92文目

— Ты, видно, от рожденья слеп, — сказал он слепому, — что не знаешь, что такое солнце.

サーニャ
サーニャ

рожде́ние:誕生 слепо́й:盲目の 

響

видноは副詞だから、「clearly」つまり、「it is clear」という文修飾の副詞と見てあげればいいな。

Ты, (видно), (от рожденья) слеп, — сказал он слепому, — что не знаешь, что такое солнце.

彼は盲人に言った「あなたは生来盲目なのですから、あの太陽が何なのか知らないのは明らかです。」

カチューシャ
カチューシャ

「что такое солнце.」は「what that sun (is)」だからいいとして、その前のчтоのあとは主語が省略されてるよね。なんかあるのかな。

サーニャ
サーニャ

まあ、「-ешь」の語尾で主語が特定できるからね。

93文目

Я тебе скажу, что оно такое: солнце — огненный шар, и шар этот каждый день выходит из моря и каждый вечер садится в горах нашего острова; это мы все видим, il ты бы видел, если бы был зрячий.

サーニャ
サーニャ

о́гненный:炎の шар:球 ка́ждый:every выходи́ть:come out(出てくる) сади́ться:sit down(沈む) гора́:山 о́стров:島 зря́чий:目が見える

カチューシャ
カチューシャ

「оно」が使われているのは珍しいね!「оно такое」は直訳で「it (is) like this」だから、今から話す内容を指してるのかな。

Я тебе скажу, что оно такое: солнце огненный шар, и шар этот (каждый день) выходит (из моря) и (каждый вечер) садится (в горах нашего острова); это мы все видим, и ты бы видел, (если бы был зрячий).

響

①「солнце — огненный шар」のダッシュはbe動詞のことだ。

②英語で「every day/morning/night/Sunday…」が副詞なのといっしょで、「каждый день」や「каждый вечер」はそのまんま「every day」「every night」で副詞だからな。

③最後の「ты бы видел, если бы был зрячий」は仮定法だ。英語の仮定法よりは作りやすいから、もう慣れたか?

「わたしはあなたにこう言いましょう。太陽は燃える球です。そしてこの球は毎日海から上り、毎夜わたしたちの島の山地へと沈みます。これをわたしたちはみんな見ています。もしあなたの目が見えていたら、あなたも見られたでしょうに。」

カチューシャ
カチューシャ

「гора́」は「マグニトゴルスク」の「ゴル」だね! マグネット(磁鉄鉱)がとれる山だから「マグニトゴルスク」なんだよ!

94文目

Рыбак, сидевший тут же, услыхал эти слова и сказал хромому:

サーニャ
サーニャ

Рыбак:漁師 

Рыбак, (сидевший тут же), услыхал эти слова и сказал хромому:

ちょうどそこに座っていた漁師はこの発言を聞き、足が不自由な人にこう言った。

95文目

— И видно же, что ты нигде не был дальше твоего острова.

サーニャ
サーニャ

же:also нигде́:nowhere дальше:farther(далёкий(遠い)の比較級)

カチューシャ
カチューシャ

「比較級+生格」=「比較級 than~」 だね!

— И видно же, что ты (нигде) не был дальше (твоего острова).

「お前は自分の島より遠くにはどこにも行けないことも明らかだ。」

響

①英語なら「you cannot go anywhere farther than your island」という風に、「not~any」の形で表すのがルールだが、ロシア語は「ни」や「не」がつく名詞・動詞をいくら続けても問題ないぞ。

②「行く」を表現する際に「быть」(~にいる)を使うこともある。

96文目

Если бы ты был не хром да поездил бы по морю, ты бы знал, что солнце садится не в горах нашего острова, а как выходит из моря, так вечером опять и садится в море.

サーニャ
サーニャ

да:and пое́здить:乗り物で行く(完了体) по:across вечером:in the evening опя́ть:again как A так и B:both A and B

カチューシャ
カチューシャ

何よ。「乗り物で行く」って。

響

ロシア語では移動動詞といって、どうやって移動するかで動詞が違うのだよ。

ここでは海上を移動するわけだから、もちろん船での移動を示している。

(Если бы ты был не хром да поездил бы (по морю)), ты бы знал, [что солнце садится не (в горах нашего острова)], а [как выходит (из моря), так (вечером) опять и садится (в море)].

「もしお前が足が不自由でなく、海をわたっていったなら、太陽はわたしたちの島の山地に沈むのではなく、海から登るのと同じように、夜にはまた海に沈むのだということを、お前はわかっただろうに。」

97文目

Я говорю верно, потому что каждый день вижу это своими глазами.

サーニャ
サーニャ

глаз:目

Я говорю верно, потому что (каждый день) вижу это (своими глазами).

カチューシャ
カチューシャ

「своими глазами」は「自分の目」という造格だね!

「わたしは正しいことを言っている。なぜなら、毎日自分の目でこれを見ているからだ。」

98文目

Услыхал это индеец.

サーニャ
サーニャ

индеец:インド人

Услыхал это индеец.

インド人はこれを聞いていた。

99文目

— Удивляюсь, — сказал он, — как может умный человек говорить такие глупости.

サーニャ
サーニャ

у́мный:賢い глу́пость:馬鹿

Удивляюсь, — сказал он, — как может умный человек говорить такие глупости.

彼は言った、「賢い人がこんなにも馬鹿なことを言えるとは、驚きだ。」

100文目

Разве можно, чтобы огненный шар спускался в воду и не потухал?

サーニャ
サーニャ

спуска́ться:沈む вода́:water потуха́ть:消滅する

Разве можно, чтобы огненный шар спускался (в воду) и не потухал?

「炎の球が水に沈んで消滅しないということがありえるだろうか?」

カチューシャ
カチューシャ

можно, чтобы は文法的によくわかんないけど、「it is possible that」という感じでとらえればいいかな?

101文目

Солнце вовсе не огненный шар, а солнце — божество.

サーニャ
サーニャ

во́все:at all божество:神聖な存在・神

Солнце вовсе не огненный шар, а солнцебожество.

「太陽はまったくもって炎の球ではなく、太陽は神聖な存在なのだ」

102文目

Божество это называется Дева.

サーニャ
サーニャ

называ́ться:be named де́ва:デーヴァ

カチューシャ
カチューシャ

デーヴァはインドで「神様」を意味する言葉だね!

インドは多神教だから、その神様を総称して「デーヴァ」と呼ぶよ! インドの神様としては、さっき出て来たブラフマー(偉い)とか、シヴァ(これも偉い)、チャンドラ(月の神。世界史勢ならチャンドラグプタでおなじみ)、アグニ(火の神。ぱっちぇさんの「アグニシャイン」などでおなじみ)とかがいるよ!

Божество это называется Дева.

「この神はデーヴァと呼ばれている。」

103文目

Божество это ездит на колеснице по небу вокруг золотой горы Сперувя.

サーニャ
サーニャ

е́здить:乗り物で行く колесни́ца:戦車 не́бо:空 вокру́г:around、生格支配 золото́й:golden Сперувя:須弥山

カチューシャ
カチューシャ

ほう、戦車(колесни́ца)とな。

↓みんな大好きT-72(ちはやたん

響

あの。この小説が書かれたときにはこういう「戦車」はないからな。

古代の戦車(Chariot)だ。Fateでライダーが乗ってたやつ。

Zeroの方でも本文でも戦車が空を飛んでいるようだが…。

カチューシャ
カチューシャ

ま、まあ、それはいいとして、インドの宗教の話をしてるから、神にまつわる黄金の山といえばもちろん「須弥山」のことだよね(しゅみせんと読むよ)。

そしたら、「Сперувя」は「Сумеру」の誤記かな。

サーニャ
サーニャ

それでいいんじゃないかな。

インドの価値観ってめっちゃファンタジーだよね。何もない「空輪」の上に「風輪」があってその上に「水輪」がある。そして、ようやく現世を支える「金輪」があるの。それぞれの直径は1000万キロ。高さは数百万㎞(諸説あり)。

響

現世である「金輪」の「際」だから「金輪際」(=世界の果て)だね!

カチューシャ
カチューシャ

そして、金輪の上にあるのが「九山八海」と人間の住む島(4つ)。

9つの山:世界の中心にある「須弥山」を7つの山脈(金でできているらしい)が囲み、世界の外側をぐるっと囲む山(鉄囲山)があるよ。

8つの海:山の間だから、9-1で8つ。

響

須弥山は四方が何十万㎞もある巨大な四角柱の山だ。

そして、太陽は須弥山を中心に、須弥山の中腹付近の高度で回っていると言われている。

Божество это ездит (на колеснице) (по небу) (вокруг золотой горы Сперувя).

「この神は戦車に乗って、須弥山の金の山を回りながら、空をかけてゆく。」

104文目

Бывает, что злые змеи Рагу и Кету нападают на Дева и проглатывают его, и тогда делается темно.

サーニャ
サーニャ

быва́ть:happen, take place злой:evil, angry, severe змея́:ヘビ Рагу :ラーフ Кету :ケートゥ напада́ть:攻撃する прогла́тывать:吸い込む тогда:then темно́:暗い

カチューシャ
カチューシャ

ラーフとケートゥはどちらもインドの神様(悪の神様)だね!

悪いことをして、ヴィシュヌ神に体を真っ二つにされちゃった神様の上半分がラーフに、下半分がケートゥになったということらしいよ。

サーニャ
サーニャ

そして、天に上って、天体になっちゃったの。

身体を真っ二つにされた恨みを晴らすために、ときどき太陽を食べちゃうんだって。

響

なるほど。日食を引き起こす神様とされたわけか。

Бывает, (что злые змеи Рагу и Кету нападают (на Дева) и проглатывают его), и тогда делается темно.

「ラーフとケートゥという邪悪なヘビが太陽を襲って飲み込んでしまい、その後暗くなってしまった。」

105文目

Но жрецы наши молятся о том, чтобы божество освободилось, и тогда оно освобождается.

サーニャ
サーニャ

жрец:僧侶 моли́ться:祈る освободи́ться:自由になる(完了体) освобожда́ться:自由になる(不完了体)

Но жрецы наши молятся о том, чтобы божество освободилось, и (тогда) оно освобождается.

「だが、わたしたちの僧侶たちは、太陽の神が解放されることを祈り、そして太陽の神は今も自由であるのだ。」

106文目

Только такие невежественные люди, как вы, никогда не ездившие дальше своего острова, могут воображать, что солнце светит только на их остров.

サーニャ
サーニャ

неве́жественный:ignorant челове́к:人々(複数形だとлюди、люде́й…と活用することもある) никогда=ни+когда=never е́здить:乗り物で行く вообража́ть:imagine свети́ть:輝く на:方向を表すときは対格支配

Только такие невежественные люди, (как вы), (никогда не ездившие дальше своего острова), могут воображать, [что солнце светит только на их остров].

「あなたのように、自分の島より遠くに行くことは一度もなかったために無知な人々は、太陽が自分の島だけに光を与えてくれるのだと想像できるのだ。」

響

такой~как…で「…のような~」(such A as B)としていいかな。

107文目

Тогда заговорил бывший тут же хозяин египетского судна.

サーニャ
サーニャ

заговори́ть:за+говорить=話し始める хозя́ин:owner, boss, master еги́петский:エジプトの су́дно:大きな船

(Тогда) заговорил (бывший тут же) хозяин (египетского судна).

そのとき、そこにいたエジプト人の船長が話し始めた。

108文目

— Нет, — сказал он ,— и это неправда, солнце не божество и не ходит только вокруг Индии и ее золотой горы.

サーニャ
サーニャ

непра́вда:嘘 ходи́ть:go вокруг :生格支配

— Нет, — сказал он ,— и это неправда, солнце не божество и не ходит только (вокруг Индии и ее золотой горы).

「違う」と彼は言った。「それは嘘だ。太陽は神ではなく、単にインドとその金色の山の周りをまわっているのでもない。」

109文目

Я много плавал и по Черному морю, и по берегам Аравии, был и на Мадагаскаре, и на Филиппинских островах, — солнце освещает все земли, а не одну Индию, оно не ходит кругом одной горы, но оно встает у островов Японии, и потому и острова те называются Япен, то есть на их языке — рождение солнца, и садится оно далеко, далеко на западе за островами Англии.

サーニャ
サーニャ

пла́вать:航海する Чёрный море:黒海 бе́рег:岸 Аравии:アラビア Мадагаскар:マダガスカル Филиппинский:フィリピンの освеща́ть:照らす кругом:all round встать:のぼる Япо́ния:日本 потому:this is why те:тотの主格複数 называ́ться:呼ぶ язы́:言語 рожде́ние:誕生 сади́ться:沈む за́пад:西 А́нглия:イングランド/イギリス

Я много плавал и (по Черному морю), и (по берегам Аравии), был и (на Мадагаскаре), и (на Филиппинских островах), — солнце освещает все земли, а не одну Индию, оно не ходит (кругом одной горы), но оно встает (у островов Японии), и потому и острова те называются Япен, то есть (на их языке — рождение солнца), и садится оно (далеко), (далеко (на западе) (за островами Англии).

響

「потому что」は「because」だが「потому」は「this is why」だ。因果関係が逆になることに注意だぞ。

「わたしは黒海にもアラビア湾にも、たくさんの航海をしてきた。マダガスカルにもフィリピンの島にも行った。太陽はすべての大地を照らしていた。インドだけを照らしているのではない。太陽は一つの山のまわりだけを回っているのではない。日本の島のそばからのぼっているのだ。だから、その島が「日本」と呼ばれているのだ。それは「太陽の上るところ」という意味の言葉だ。そして、太陽は遠く、西のブリテン島の遠くに沈んでいく。」

110文目

Я это хорошо знаю, потому что и сам видел много п слышал много от деда.

サーニャ
サーニャ

дед:おじいさん сам:自分で

Я это хорошо знаю, потому что и сам видел много и слышал много (от деда).

「わたしはこのように物事をよく知っている。なぜなら、自分でたくさん見て、祖父からたくさん話を聞いたからだ。」

111~120文目

111文目

А дед мой плавал до самых краев моря.

サーニャ
サーニャ

до~まで(生格支配) краевой:果ての 

響

самыйは最上級(most)を作るんだったね!

А дед мой плавал (до самых краев моря).

「わたしの祖父はというと、最果ての海まで航海したのだ。」

112文目

Он хотел еще говорить, но английский матрос нашего корабля перебил его.

サーニャ
サーニャ

матро́с:船員 кора́бль:船(男性) переби́ть:邪魔をする

カチューシャ
カチューシャ

この文章はエジプト人船長の話じゃなくて、地の文だね!

Он хотел еще говорить, но английский матрос (нашего корабля) перебил его.

エジプト人船長はまだ話したがったが、わたしたちの船に乗っていたイギリス人の船員がさえぎった。

113文目

— Нет земли, кроме Англпи, — сказал он, — где бы лучше знали о том, как ходит солнце. Солнце, мы все это знаем в Англии, нигде не встает и нигде не ложится.

サーニャ
サーニャ

кро́ме:except бы:仮定法を作るための助動詞的なもの。 лу́чше:better 3)  то, как:how ложи́ться:沈む

— Нет земли, кроме Англпи, — сказал он, — (где бы лучше знали о том, как ходит солнце). Солнце, (мы все это знаем (в Англии)), нигде не встает и нигде не ложится.

カチューシャ
カチューシャ

「знали」は不定人称文だから三人称複数だね!「知られている」と受け身的に訳そうかな。

「太陽がどのように動くかについて、イギリスより知られているところはなかろう。イギリスでは皆知っているのだが、太陽はどこからも昇らず、どこにも沈まない。」

114文目

А оно ходит беспрестанно вокруг земли.

サーニャ
サーニャ

беспреста́нно:continually 

А оно ходит беспрестанно (вокруг земли).

「太陽は地球の周りを絶えず回っている。」

115文目

Мы это хорошо знаем, потому что сами вот только что обошли вокруг землп и нигде не натолкнулись на солнце.

サーニャ
サーニャ

только что:just обойти́:回る  натолкну́ться:run up against

Мы это хорошо знаем, (потому что сами вот (только что) обошли (вокруг земли) и (нигде) не натолкнулись (на солнце)).

「わたしたちはこのことをよく知っている。なぜなら、自分たちでちょうどこのように世界を回り、どこからも太陽に上っていけなかったからだ。」

116文目

Везде оно так же, как здесь, утром показывается и вечером скрывается.

サーニャ
サーニャ

везде́:everywhere так же, как:同じように(as well as) утром :朝 пока́зываться:現れる вечером:夜 скрыва́ться:隠れる

(Везде) оно (так же, как здесь), (утром) показывается и (вечером) скрывается.

「ここと同じように、どこでも太陽は朝に現れ、夜に隠れるのだ。」

117文目

И англичанин взял палку, начертил на песке круг и стал толковать, как ходит солнце по небу вокруг земли.

サーニャ
サーニャ

взять:とる・つかむ па́лка:棒 начерти́ть:描く песо́к:砂(出没母音) круг:円 толкова́ть:解釈する、説明する не́бо:空 

И англичанин взял палку, начертил (на песке) круг и стал толковать, (как ходит солнце (по небу) (вокруг земли)).

そしてイギリス人は棒を手に取り、砂の上に円を描き、どのように太陽が天を駆け地球を回っているか説明を始めた。

118文目

Но он не сумел растолковать хорошо и, показав на кормчего своего корабля, сказал:
— Он, впрочем, более меня учен и лучше вам всё это растолкует.

サーニャ
サーニャ

суме́ть:be able to растолкова́ть:説明する показа́ть:show(ここは副動詞完了) ко́рмчий:操舵手 кора́бль:船 впро́чем:however учи́ть:learn(ここは形動詞受動過去短語尾男性)

Но он не сумел растолковать хорошо и, (показав (на кормчего своего корабля)), сказал:— Он, (впрочем), (более меня) учен и (лучше) вам всё это растолкует.

だが、彼はうまく説明することができなかった。自分の船の操舵手を紹介すると、こう言った。「彼はわたしよりも多く知っており、あらゆることをあなたにわたしより上手に説明してくれるはずだ。」

響

受動のはずの「учен」が能動になってしまうのが少し謎だが…。

119文目

Кормчий был человек разумный и слушал разговор молча, пока его не спросили.

サーニャ
サーニャ

разу́мный:分別のある разгово́р:会話 мо́лча:静かに пока́:その間 спроси́ть:尋ねる

Кормчий был человек разумный и слушал разговор молча, пока его не спросили.

操舵手は分別のある人で、静かに話を聞き、その間質問を挟まなかった。

響

補語は過去形・未来形では造格になるのが普通だが(述語造格)、永続的な状態を表すときには主格のままのときもあるな。

120文目

Но теперь, когда все обратились к нему, он начал говорить и сказал: — Все вы обманываете друг друга, и сами обманываетесь.

サーニャ
サーニャ

тепе́рь:now нача́ть:始める обма́нывать:だます・嘘をつく друг друга:お互い    

カチューシャ
カチューシャ

ся動詞は受身だから、обма́ныватьсяは「だます」+「れる」=「だまされる」だね!

Но теперь, (когда все обратились к нему), он начал говорить и сказал: — Все вы обманываете друг друга, и сами обманываетесь.

だが、皆が彼にたずねたので、彼は口を開いた。「あなた方はみなお互いに嘘をついています。そしてあなた方は嘘をつかれています。」

121~130文目

121文目

Солнце не вертится вокруг земли, а земля вертится вокруг солнца, и сама еще вертится, поворачивая к солнцу в продолжение двадцати четырех часов и Японию, и Филиппинские острова, и Суматру, на которой мы сидим, и Африку, и Европу, и Азию, и множество еще других земель.

サーニャ
サーニャ

верте́ться:回転する повора́чивать:向く в продолже́ние 生格:in the course of 生格(~の間に) Суматру:スマトラ島 сиде́ть:とまる А́фрика:アフリカ Евро́па:ヨーロッパ А́зия:アジア мно́жество:多くの друго́й:他の 

Солнце не вертится (вокруг земли), а земля вертится (вокруг солнца), и сама еще вертится, (поворачивая (к солнцу) (в продолжение двадцати четырех часов) и Японию, и Филиппинские острова, и Суматру, (на которой мы сидим), и Африку, и Европу, и Азию, и множество еще других земель).

「太陽は地球の周りをまわっているのではなく、地球が太陽の周りをまわっているのです。わたしたちこそが回っているのです。24時間の間に、日本も、フィリピンの島も、わたしたちがいま停泊しているスマトラ島も、アフリカも、ヨーロッパも、アジアも、その他の数多くの大地も、みな太陽の方向を向くのです。」

カチューシャ
カチューシャ

なによ。「24時間」が「двадцати четырех часов」ですって?

数詞まで変化するの気持ち悪すぎるわよ。

122文目

Солнце светит не для одной горы, не для одного острова, не для одного моря и даже не для одной земли, а для многих таких же планет, как и земля.

サーニャ
サーニャ

да́же:even плане́та:planet

Солнце светит не (для одной горы), не (для одного острова), не (для одного моря) и даже не (для одной земли), а (для многих таких же планет, как и земля.

響

так же, какは「as well as」だったが、жеのあとに形容詞や名詞を入れることもできるぞ。

as well asとか、as~asの構造になる。

「太陽が輝くのは、1つの山のためでも、1つの島のためでも、1つの海のためでも、まして1つの星のためでもありません。この地球と同じような多くの惑星のために輝くのです。」

123文目

Всё это каждый из вас мог бы понять, если бы смотрел вверх на небо, а не себе под ноги, и не думал бы, что солнце светит только для одного него или для одной его родины.

サーニャ
サーニャ

каждый:everyone поня́ть:理解する вверх:upward под:under нога́:足 родины:祖国

カチューシャ
カチューシャ

「бы」が仮定法の印だね!

Всё это каждый (из вас) мог бы понять, (если бы смотрел (вверх) (на небо), а не себе под ноги), и не думал бы, (что солнце светит только (для одного него) или (для одной его родины)).

「もし上を見て天を仰げば、あなた方はみなすっかり理解できるはずです。ですが、自分の足元だけを見ていたり、太陽が自分や自分の国だけのために輝いているのだと思っていては、理解できないでしょう。」

124文目

Так сказал мудрый кормчий, много ездивший по свету и много смотревший вверх на небо.

サーニャ
サーニャ

му́дрый:賢い 

Так сказал мудрый кормчий, (много ездивший (по свету) и много смотревший (вверх) (на небо)).

このように賢い操舵手は言った。彼は様々な世界をめぐり、幾度となく天を仰ぎ見て来たのだ。

125文目

— Да, заблуждения и несогласия людей в вере — от самолюбия, — продолжал китаец, ученик Конфуция.

サーニャ
サーニャ

заблужде́ние:誤解 несогла́сие:意見の相違 ве́ра:信仰 самолю́бие:自尊心 продолжа́ть:続ける  китаец:中国人 учени́к:信者 Конфуций:孔子

— Да, заблуждения и несогласия людей (в вере) — (от самолюбия), — продолжал китаец, (ученик Конфуция).

響

вере — отのところのダッシュはестьの代わりのダッシュだな。

「そうだ。信仰における人々の誤解や意見の相違は、自尊心によるものなのだ。」と孔子の信者の中国人は続けた。

126文目

— Что с солнцем, то же и с богом.

響

「тот, кто」や「то, что」は関係代名詞だが、別にктоやчтоが先に出てきてもいいんだ。

例:「Что произошло, то произошло.」(起こってしまったことは起こってしまったこと。

Что (с солнцем), то же и (c богом).

「神においても、太陽の話と同じだ。」

127文目

Каждому человеку хочется, чтобы у него был свой особенный бог или, по крайней мере, бог его родной земли.

サーニャ
サーニャ

хоте́ться:want, desire осо́бенный:特別な по крайней мере:at least 

Каждому человеку хочется, (чтобы (у него) был свой особенный бог или, (по крайней мере), бог (его родной земли)).

響

「у него был свой особенный бог」は所有表現(у 生格 есть 主格)だな。

「どんな人も、自分には特別な神がいたことを望んでおり、少なくとも、自分の祖国の神がいたことを望んでいる。」

128文目

Каждый народ хочет заключить в своем храме того, кого не может объять весь мир.

サーニャ
サーニャ

заключи́ть:閉じ込める объя́ть:理解する

Каждый народ хочет заключить (в своем храме) того, кого не может объять весь мир.

「すべての人は、自分の全世界では理解できない人を、自分の神殿に閉じ込めようとする。」

129文目

И может ли какой храм сравниться с тем, который сам бог построил для того, чтобы соединить в нем всех людей в одно исповедание и одну веру?

サーニャ
サーニャ

ли:whether сравни́ться:比べる постро́ить:建てる для того, чтобы:in order to соедини́ть:つなげる немо́й:無言で исповедание:信仰 

И может (ли) какой храм сравниться (с тем, который сам бог построил для того, чтобы соединить (в нем всех людей) (в одно исповедание и одну веру))?

「言葉を交わさずとも、皆の信義信条を一つに繋げるために神が建てた神殿と、そのような神殿を比することができるだろうか?」

130文目

Все человеческие храмы сделаны по образцу этого храма — мира божия.

サーニャ
サーニャ

челове́ческий:人の по:~に沿って образе́ц:モデル、見本 бо́жий:神の

カチューシャ
カチューシャ

сделаныは受動態過去の短語尾複数だね!

Все человеческие храмы сделаны (по образцу этого храма — мира божия).

「すべての人間の神殿は、かの神殿ー神の世界ーを真似て作られたのだ。」

131~140文目

131文目

Во всех храмах есть купели, есть своды, светильники, образа, надписи, книги законов, жертвы, алтари и жрецы.

響

Во:вが子音に続くときの形。 купе́ль:洗礼盤 свод:ヴォールト свети́льник:ランプ о́браз:絵 на́дпись:碑文 зако́н:きまり же́ртва:供物 алта́рь:神殿 жрец:聖職者

サーニャ
サーニャ

洗礼盤っていうのは、その名の通り、キリスト教の洗礼に使うための用具だね!

ロシア正教では、結構大きかったみたいだよ!
左が洗礼盤。右はロシア正教での洗礼シーン。

カチューシャ
カチューシャ

ヴォールトはかまぼこ状の天井のことだね!

響

Во:вが子音に続くときの形。 купе́ль:洗礼盤 свод:ヴォールト свети́льник:ランプ о́браз:絵 на́дпись:碑文 зако́н:きまり же́ртва:生贄・供物 алта́рь:祭殿 жрец:聖職者

(Во всех храмах) есть купели, есть своды, светильники, образа, надписи, книги законов, жертвы, алтари и жрецы.

「すべての神殿には、洗礼盤があり、ヴォールト、ランプ、絵、碑文、規則の本、供物、祭殿、聖職者が存在する。」

132文目

В каком же храме есть такая купель, как океан, такой свод, каков свод небесный, такие светильники, каковы солнце, луна и звезды, такие образа, каковы живые, любящие, помогающие друг другу люди?

響

какой:どの океан:海 небе́сный:天の луна́:月 звезда́:星 живо́й:生きているлюби́ть:love помога́ть:助ける

(В каком же храме) есть [такая купель, как океан], [такой свод, каков свод небесный], [такие светильники, каковы солнце, луна и звезды], [такие образа, каковы живые, любящие, помогающие друг другу люди]?

「では、海のような洗礼盤や、天のごときヴォールト、太陽、月、星々のようなランプ、生きて、互いを愛して助けているかのような絵は、どの神殿に存在するだろうか?」

133文目

Где надписи о благости бога, столь же понятные, как те благодеяния, которые повсюду рассеяны богом для счастия людей?

響

благость:善意 столь:so поня́тный:わかりやすい благодея́ние:善行 повсю́ду:everywhere рассе́ять:散らばる счастие:幸せ   

Где надписи (о благости бога), (столь же понятные, как те благодеяния, (которые (повсюду) рассеяны (богом) (для счастия людей)))?

サーニャ
サーニャ

内容も文法も難しいけど、жекак (as~as的なやつ)やтекоторые(関係代名詞を表す)などを追っていこう!

「『神が人類の幸せのためにあちこちに善行を撒いた』のように、とてもわかりやすく神の善意について書かれた碑文はどこにあるのだ?」

134文目

Где такая книга закона, столь ясная каждому, как та, которая написана в его сердце?

響

я́сный:わかりやすい написа́ть:書く се́рдце:心、愛

Где такая книга закона, (столь ясная каждому), как та, которая написана (в его сердце)?

「みんなにとって非常にわかりやすい、心に訴えるような規則の本はどこにあるのだ?」

135文目

Где жертвы, подобные тем жертвам самоотречения, которые любящие люди приносят своим ближним?

響

же́ртва:供物・犠牲 подо́бный:~のような самоотрече́ние放棄 приноси́ть:bring бли́жний:隣人 

Где жертвы, подобные тем жертвам самоотречения, (которые любящие люди приносят своим ближним)?

「人を愛する者がその隣人に与える自己犠牲にも似た、供物はどこにあるのだ?」

136文目

И где алтарь, (подобный сердцу (доброго человека)), на котором сам бог принимает жертву?

響

алтарь:祭殿 до́брый:親切な принима́ть:受け取る

「そして、親切な人の心にも似た、神が供物を受け取るための祭壇はどこにあるのだ?」

137文目

Чем выше будет понимать человек бога, тем лучше он будет знать его.

響

высо́кий:高い・大いに(比較級выше) понима́ть:understand лучше:better 

サーニャ
サーニャ

察してる人も多いとは思うんだけど、「чем 比較級~, тем 比較級~」は、英語の「the 比較級~, the 比較級~」とまったく同じだからね!

Чем выше будет понимать человек бога, тем лучше он будет знать его.

「人が神をより理解しようとするほど、人は神をよりよく知るのだ。」

138文目

А чем лучше будет знать он бога, тем больше будет приближаться к нему, подражать его благости, милосердию и любви к людям.

響

приближа́ться:近づく подража́ть:真似する благость:善行 милосе́рдие:慈悲、慈善 любо́вь:love

А чем лучше будет знать он бога, тем больше будет приближаться (к нему), подражать его благости, милосердию и любви (к людям).

「そして、人が神を知れば知るほど、神に対してより近づいていき、人々に対する善行、慈善、愛情を真似するようになるのだ。」

139文目

И потому пусть тот, который видит весь свет солнца, наполняющий мир, пусть тот не осуждает и не презирает того суеверного человека, который в своем идоле видит только один луч того же света, пусть не презирает и того неверующего, который ослеп и вовсе не видит света.

響

пусть:let наполня́ть:満たす осужда́ть:非難する、責める презира́ть:軽蔑する суеве́рный:迷信を信じる и́дол:偶像 луч:光 тот же:同じ(the same)  неве́рующий:神を信じない人々 осле́пнуть:盲目になった во́все:at all

И потому пусть тот, (который видит весь свет солнца, (наполняющий мир)), пусть тот не осуждает и не презирает того суеверного человека, (который (в своем идоле) видит только один луч (того же света)), пусть не презирает и того неверующего, (который ослеп и (вовсе) не видит света).

サーニャ
サーニャ

すっごくわかりにくい文章だけど、3つの「пусть」(≒let)に注目してね。

「let 人 動詞」という風に使うんだけど、1個目のпустьには「動詞」がなくて、2個目と3個目のпустьには「人」がないね。だから、1個目で提示された「人」が行うことが、2個目と3個目のпустьで書かれてると思えばいいかな。(1個目のпустьは「人」を提示するだけの役割)

あと、「let him not V」は訳しづらいところだけど、「~してはいけない」としてみたよ。

「だから、世界を満たしている太陽の光をすべて見ている人は、自らの中の偶像にすがって、それだけを我々と同じく光のように見ている迷信論者を非難や軽蔑してはいけないし、盲目になって光がまったく見えなくなった無神論者を軽蔑してもいけない。」

140文目

Так сказал китаец, ученик Конфуция, и все бывшие в кофейной замолчали и не спорили больше о том, чья вера лучше.

響

замолча́ть:静かになる спо́рить:議論する чей:whose(чьяは女性主格)

Так сказал китаец, (ученик Конфуция), и все (бывшие (в кофейной)) замолчали и не спорили больше о том, чья вера лучше.

このように孔子の信者の中国人は言った。そして喫茶店にいた人はみな黙り込み、誰の宗教が優れているかについてそれ以上議論しなかった。

終わりに

終わった終わった。原作がフランス人ということで、ロシア感は薄めになっていますが、初めてロシア語を読む際には読みやすくていいのではないかと思います。

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